農協から田植え用の苗を買っています
農協が育てた「コシヒカリ」の緑化苗を持って来ました。箱に植わっており全部で17箱あります。
少し小さい苗なので1週間ほど家で水をたっぷりと撒いて育てます。
今回、田植えをする9畝の田んぼに、これを植えます。1反が300坪なので270坪ぐらいです。
農協から持って来て、すぐに植えることのできる苗もあるのですが、家で育てる苗の方が少し値段が安いのでこちらを使っています。コストの問題です。
両親は種から育てていたのですが、とても手間暇がかかるので農協から苗を買うようになりました。コメ農家の高齢化・兼業化に伴って、省力化が進んでいます。
コメ作りの理由
「そこまでして何でコメを作っているの?」という疑問が湧いてくるかと思いますが、ウチの場合、結局は地域を守るということに尽きるのではないかと考えています。
コメ作りをするためには大量の水が必要です。水を田んぼまで引いてくるためには長い水路が不可欠です。この水路を地域の方々が協力して維持管理しているのです。
昔からの地域のたゆまない努力によって、コメ作りが成り立っているということです。
これも大切な理由なのですが、やはり夏の、田んぼが緑のじゅうたんのようになっている風景は残しておきたいですよね。
それに私だけかもしれませんが、田んぼが荒れているのを見るのは、少し寂しく思ってしまうからです。
他にも田んぼはあるのですが、そこには「ヒノヒカリ」という品種のコメを6月中旬ごろに植えます。
どちらもおいしいお米ですが、作業の具合で分けて植えているのです。
1回目の代かき
田んぼに水を入れて、代かきをしました。
代かきというのは田植えをするために、トラクターで田んぼの土をぐちゃぐちゃにかき混ぜてドロドロにする作業のことです。
泥のようになった田んぼは表面が平らになり苗を植えやすくなります。昔ははしごを引いて表面を平らにしていましたが、トラクターのお蔭でそれはしていません。
しかしトラクターによって省力化はされたのですが、結構、時間はかかります。一番、時間がかかるのは、田んぼの下手から水が漏れ落ちないようにトラクターで踏み固める作業です。
水が水路から入ってきて田んぼに溜まっていかなければならないのですが、田んぼの下手からモグラが穴を開けたりしていて、水が漏れてしまいます。
そのため田んぼの下手をトラクターで行ったり来たりして踏み固めるのです。ミミズが這っているぐらいのスピードでトロトロとやっています。
これが一段落してから、縦横にトラクターでかき混ぜていきます。
かき混ぜていると、たくさんの鳥がエサを求めてやってきます。ツバメ・スズメ・サギが田んぼの水に浮かんでいるカエルやミミズ、虫をついばんでいました。
作業をしながら、肌で自然を感じる瞬間です。
代かきをしてから2日ぐらいすると、泥が沈んで落ち着くので、それから田植えをします。
1回目の田植え
やっと田植えになりました。今回、植えるのは8月末に収穫予定のコシヒカリです。
田植え機に恐る恐るエンジンをかけます。いつも緊張の時です。
というのも我が家の田植え機は父親が退職ごろに買ったもので、40年は経っていようかという骨とう品で、まだ動いているのが不思議なほどの代物です。
1年に1度の田植えの時にしか使用しないので、実質的な稼働日数はたかが知れています。
なんとか無事にエンジンがかかってホッとしました。
苗に殺菌剤をふりかけ
まずは苗にいもち病などの予防のために殺菌剤をふりかけておきます。その後、機械の後ろに苗箱から苗を取り出してセットします。
田植え機
田植え機は4条植なので、初めに横に4箱、縦に2箱分の苗をセットしておきます。植えていく都度、補充することになります。
まっすぐに田植えをしたい
いざ植え始めると、田んぼの中が微妙に凸凹しているのでハンドルを細かく動かしながらまっすぐに植えるように集中します。
まっすぐに植えた方が稲刈りの時に刈り取りやすいので、出来るだけまっすぐになるように植えようとはするのですが、これがなかなかうまくいきません。
多少の広狭は収穫には関係ないので、ほぼ自己満足の問題です。
すべて植え終わって全体を眺め渡すと、やっぱり間が広くなったり狭くなったりしていて、今年もうまくいかなかったと思ってしまいます。
でも、すぐに「終わったからまあいいか」と細かいことは気にしても仕方がないと思い直しています。
何はともあれ、取り敢えず田植えが終わってやれやれです。