はじめに
姉は花が好きで、庭とか畑にいろいろな花を育てています。季節に応じてその花を生けて楽しんでいます。
3月末に畑で咲き始めた啓翁桜を生けて飾っていました。少し濃いめのピンクで春めいており、華やかな雰囲気になります。
啓翁桜は桜より早く咲き、花が小さめですが散りにくく、葉っぱが出てくるまで楽しむことができます。
啓翁桜(けいおうざくら)とは?
昭和の初めごろに、種類の違う桜を接いで作り出されたもので、作り出した福岡県久留米市、良永啓太郎氏の名前をとって啓太郎桜と名付けられ、その後に啓翁桜などの名で広まったと言われています。
桜は通常なら3月下旬から4月上旬にかけて花が咲くのですが、山形県では秋の訪れが早いという気候条件と長年の研究によって、お正月に桜を楽しめるように促成栽培で花を咲かせており、日本一の出荷量を誇っているようです。
姉の生け花
「3月下旬になると畑に啓翁桜が咲き始め、春の訪れを感じます。4~5メートル位の高さがあり、見た眼も華やかです。植えてから20年ぐらい経つでしょうか。
畑で咲かせたままにしておくのはもったいなくて、毎年この啓翁桜を使って花生けをしています。花器やつぼに生けたり、仏壇やお墓に飾ったりもします。
若いころからお花が好きで、先生について習っていましたが、途中でできなかった時期もあります。退職したら十分習えると思っていましたが、先生が高齢になって教えてもらえなくなりました。
今は家の周りに咲いた花を花瓶や花器に生けて楽しんでいます。たまに花を絵手紙にしたためて孫に送ったりもします。
花生けをするときは、1メートルぐらいに切った枝を一抱え取ってきます。満開だと少しの時間しか楽しめないので、いつもつぼみの時期を選びます。
一枝一枝眺めながらその中から使えそうな枝を探し、枝の先に花がいっぱいついている枝を使います。
1年中ほったらかしなので、先が傷んでいるのが多くて、なかなかいい枝が見つかりません。
枝を曲げ、形を整えて生けますが、いつも満足する形ができず、何時間もにらめっこをしながら生けています。
今回も十分に生けられませんでしたが、『まあいいか…』いつもこんな感じです。
短い枝がたくさんできるので、フラワーアレンジメントで使う水を含んだ硬いスポンジのようなオアシスにも挿して楽しみます。家にあった椿をあしらうと引き締まって賑やかになりました。」
まとめ
桜にはいろんな種類がありますが、どの桜を見たとしても花の美しさだけではなく日本の風情を感じることが出来ます。なぜか桜の花を見ると心が躍るんですね。
それは日本独特の季節感であったり、桜と共に歩んできた日本の歴史であったり、などなどをすべて含んでいるからではないでしょうか。
そのような桜を「いち早く見たい」という多くの方がいて、それに山形県の生産農家さんが促成栽培により答えているのも、桜が日本人にとって特別なものであることの証だと思いました。
手前味噌ですが、姉の華道の腕前もなかなかのものです。