ブドウの赤ちゃん
5月1日の時点で「ブドウの赤ちゃん」があちこちにできています。
うまくいけば、これが美味しいブドウの実になってくれます。
今日は、誘引(ゆういん)という作業をしました。
誘引というのは、太い枝から横にたくさんの芽が出てきますが、
その芽の中で、しっかりしている「ブドウの赤ちゃん」が付いている枝だけを選んで、止めていくという作業です。
太い枝から、それはもうたくさんの芽が出て、勝手にあちこちに伸びていこうとします。
これでは栄養が分散されてしまうので、大きくなって欲しい「ブドウの赤ちゃん」の付いている枝だけ残して世話をしてやるのです。
①ホチキスみたいな道具を使います。年代物です。
②残したい枝を選んで、ねじって太い枝から直角に曲げます。
撚枝(ねんし)といいます。ねじるとぐぎっと鳴ります。
③ホチキスみたいな道具で太い枝に平行な針金に止めます。
④いらない枝は取り除きます。
いっぺんに出来る訳ではなく、枝の成長と共に毎日、作業をしていきます。
おいしいブドウを収穫するための作業
ブドウの成長は早くて、連休中も少しずつ作業を繰り返しています。
ブドウの赤ちゃんは、あちこちにどんどんと出来ています。
全部を育てる訳ではないので、今の時期から要らないものは取り除きます。
選り分けて残したブドウは、先端の部分だけを残して、あとはハサミで摘んでしまいます。
ずっと腕をあげて細かい作業をしているので、腕がだるくなります。
一度には出来ないので、ブドウの成長に合わせてぼちぼちやっています
ブドウの花
ブドウの花が咲き始めました。と言ってもどれが花か分からないほど、小さいものです。
老眼の進んだ私には小さすぎて見えません。
花は一度にすべてが咲くわけではなく、ブドウの赤ちゃんの上の方から下へ順々に咲いていきます。
茶色くなっているのは花かすで、咲いた後の状態です。
ジベレリン処理
花が咲きだすとジベレリン処理をします。
ジベレリンというのは植物ホルモンの一種で、バイオテクノロジーにより生成されているようです。
これでブドウの赤ちゃんを処理すると種が無くなり粒が肥大します。一粒の大きな種なしブドウが出来るということです。
このジベレリン処理を2回します。
コップの中にジベレリンを溶かし入れてブドウの赤ちゃんに浸していきます。
1回目は、花が咲いてから3日ごろまでで、曇りの日の夕方にします。これで無種子化の効果があります。
2回目は、花が咲いてから10~15日ごろまでで、晴れた日の午前中にします。
粒の肥大化の効果があります。
手間がかかりますが、これをしておかないと種無しの大きなブドウが作れません。
昔はジベレリン処理をしていなかったので種がありました。
いちいち種を出しながら食べるのは煩わしいものです。
大きくて種のないブドウが食べる人には喜ばれるので、それを目指して栽培しています。
暖かくなっているので、ブドウの木全体の成長が早くなっており脇芽があちこちから出てきます。
その脇芽をいちいち取り除く作業をしています。
それにジベレリン処理もほぼ終了して、ブドウの粒がだんだんと大きくなってきました。
しかし、ブドウの粒の成長のスピードは一様ではなく、早かったり遅かったりいろいろです。
摘粒(粒わき)
粒が少し大きくなってくると摘粒をします。
この辺りでは粒わきと言っています。
粒は大きかったり小さかったりなので、小さい粒はこの際、取り除いてしまいます。
内側に入っている粒も取り除きます。
成長した房に大きな穴が空かないようにも気を配ります。
収穫する時のブドウをイメージしながら必要な粒を選別する作業です。
最終的には35粒程度のブドウの房が出来るようにイメージして房の形を整えていくのですが、何せまだ経験が十分ではないので、どの粒を残してどの粒を取り除けばよいのかの判断が付きかねています。
今までは取り除くのがもったいなくて多く残しすぎていたので、房の形が悪かったり粒どうしが詰みすぎて破裂したり腐ったり、どうもうまくいきませんでした。
思い切って粒の数を減らせばよいのですが、この思い切りが出来ません。
粒を取り除いてしまえば、それっきりなので度胸が足りないということです。
コロナの影響
今年は生産者に対して、あまり大きな房を作らないようにして欲しいと言われているようです。
これはコロナの影響で、夏場の高級ブドウに対する需要が減少するだろうと予想されるからです。
グラム単価でブドウの価格が決まるので、あまり房が大きいと値段が高くて敬遠されるということのようです。
こんなところにもコロナの影響が出るものなんですね。
我が家はたくさん出荷するわけでないので、マイペースで栽培します。
濃厚な甘さで形が良くて粒が大きいブドウを目指して、チビチビやっていきたいと思っています。