はじめに
姉が歩き遍路をしている方、それも「先達」の資格のあるお遍路さんに遭って話をしました。
四国にいる地元の人間にとってはお遍路さんはいつも見慣れている光景です。
普段はあまり気にしないのですが、改めて話をお伺いするとお遍路のすばらしさに気付かされます。
「先達」とは
四国八十八か所のお寺で組織している(一社)四国八十八か所霊場会が公認する資格です。
弘法大師信仰の「同行二人」の教えをもとに、指導者・模範となる者として、一人でも多くの人を誘い四国八十八か所を巡礼し、信仰を勧める方です。
資格を得るには八十八か所を四回以上巡礼し、お寺の推薦を受けた上で霊場会に申請しなければなりません。
「納め札」とは
お大師様に来たことを知っていただくために、印(しるし)として残しておくものです。
住所、氏名、年齢、日付、願意を書いて、本堂と太師堂にある納札箱に入れます。
名刺代わりにお渡しすることもあります。
結願の回数によって札の色が変わるそうです。
白:1~4回
青:5~7回
赤:8~24回
銀:25~49回
金:50~99回
錦:100回以上
100回以上のものがあるということは、100回以上巡礼した人がいるということでしょう。
凄いです。
姉とお遍路さんの出会い
6月中旬、駅前の道を歩いている白装束のお遍路さんに出会ったので声を掛けました。
近くの八十八か所のお寺へ行く途中でした。
話を聞くと、我が家がお世話になっているお寺さんへ行くということでした。
歩き遍路
奈良県から来て、四国八十八か所を歩いて参拝しているそうです。
すべて歩くと約40日ちょっと位かかるそうで、8月の上旬に家に戻られるようです。
八十八か所巡りは1400キロあるので、1日に30キロ位歩くと仰っていました。
今回が12回目だというのにはびっくりしました。
毎年、参拝されているそうです。
200キロ歩くまでが大変でそれを超えたら楽になるとおっしゃっていました。
足にまめができたらつぶしてはダメで、水膨れの水を針で抜いて歩くそうです。
先達
先達【せんだつ】をされていると言っていました。
うちのお寺さんに承認していただいたそうです。
私はまだ1回も回ったことがないので、ぜひ行きたいとは思っていますが、歩くなんて1日でも無理です。
バス遍路がいいなあ。
「歩くといろんな人に巡り会えて、友達もできます。」と仰っていました。
お茶のお接待をすると、赤いお札をくださいました。
お詣りのときに納めるお札で、「納め札」といって、お詣りをした回数によってお札の色が違うようです。
お寺さんの話
8月の初めにお寺さんがお盆の法要に来てくださったので、駅前で出会った奈良県の先達さんのことを話すと、知っていました。
奈良県では2人の先達さんの承認をしているそうです。
「歩き遍路が一番贅沢ですよ。」と話されていました。
よく考えれば、時間もかかるし、それに宿泊代金だけでも大きな金額になるので、忙しい現代においては、贅沢な旅行なのかもしれません。
逆打ち
7月初めに2台のバスとすれ違いました。
この時期にバスを見かけるのは珍しかったので、窓の上のほうを見ると「逆打ち」と書いてありました。
「逆打ち」というのは、うるう年に四国八十八か所を反対回りするとご利益が3倍になるということだそうです。
4年に1回のオリンピックの年に当たるようです。
地元に住んでいても知りませんでした。
特にご利益のある年なので巡礼するのにいいかもしれません。
現生の煩悩を、これでもかと、いっぱいお願いしておきたいものです。
おわりに
毎年、春になると、歩き遍路の人を見かけるようになります。
春の訪れを感じさせてくれる風景です。
全国から四国八十八か所を目指してお詣りにきていただけるなんて、すてきなことですね。
四国八十八か所を世界遺産にという運動もあるのですが、実現するといいなあと思います。