横山隆一記念まんが館
戦前戦後の長きにわたって人々に愛された「フクちゃん」の原作者が横山隆一です。
高知県に生まれ、上京して新漫画派集団を結成して漫画界に新風を吹き込みました。
やがて新聞に「フクちゃん」を連載し始めます。
着物に下駄、大きな学生帽という姿の男の子は、昭和を通して愛され続けたキャラクターでした。
2002(平成14)年、「横山隆一記念まんが館」は高知出身の偉大なまんが家である横山隆一を顕彰するとともに、高知におけるまんが文化の拠点として「高知市文化プラザかるぽーと」に開館されたものです。
展示
「高知市文化プラザかるぽーと」の3階が入り口になります。フクちゃんのオブジェが出迎えてくれます。
まんがライブラリー
10,000冊以上のマンガ・絵本・評論などが無料で閲覧できます。
魚々タワー
横山隆一デザインの約330匹のユニークな魚が空間を彩る全長9mのオブジェがあります。
ギャラリー
横山隆一の活躍をパネルで紹介しています。
横山隆一のアトリエ
鎌倉にあったアトリエを忠実に再現しています。
電車ジオラマ「隆一ガラガラ」
精巧に作られている隆一の遊び心がつまっている鉄道模型のジオラマでした。
珍品の数々
ガラクタばかりに見えますが、何にでも好奇心を持って楽しんでいた、横山隆一が集めたかけがえのない宝ものの数々です。
珍品を通して、多彩な分野の著名人と交流があったことを伺わせます。
川端康成の胆石 1959(昭和34)年
「ぜひ欲しい」と頼んでおくと、手術が終わって病院から退院して家に帰る途中に、川端康成が自ら届けてくれたそうです。
トキワ荘の壁土 1983(昭和58)年
トキワ荘14号室の左側面の壁土ということで、手塚治虫、赤塚不二夫等の署名・証明もあります。
植村直己の足の豆だこ 1971(昭和46)年
北海道の稚内から鹿児島までの3,000kmを徒歩旅行した時にできたものです。
佐藤栄作のホールインワン記念シャツ 1971(昭和46)年
軽井沢ゴルフ俱楽部7番ホールでホールインワンした時の記念シャツ。
石川達三、秋山庄太郎、丹羽文雄のサインがあります。
エベレスト登山隊のハーケン
エベレスト山に登山したイギリス隊(遭難)が残していったハーケンを石原慎太郎より贈られています。
王選手ユニホーム
王選手が実際に着用した巨人軍ユニホームです。
中国毛主席の葉巻
おわりに
私のような手塚治虫の「鉄腕アトム」世代より上の世代にとって「フクちゃん」は懐かしく馴染みのあるキャラクターではないでしょうか。
戦前戦後を通して「フクちゃん」を描き出した横山隆一は、まるで少年の心のように何にでも興味を持ち続けた人物であったと思いました。