「つまみ細工」とは
「つまみ細工」というのは、小さな布を折って、つまんだものを組み合わせ、四季折々の花鳥風月を題材として作品を作り、櫛やかんざしを華やかに飾る江戸時代から伝わる伝統工芸です。
京都の舞妓さんが髪にさしている簪(かんざし)は、ボリュームがあって可愛らしくとても華やかな飾りものですが、これもつまみ細工の技法を用いて作られているそうです。
つまみ細工の専門店もあるようです。
東京浅草の一凛堂(https://tsumami-ichirindo.com/)では職人さんが作った本格的なかんざしがUPされていました。とても華やかで鮮やかな色遣いの素敵なかんざしです。
その他にも趣味で「つまみ細工」を作る人に向けた素材やパーツを販売しています。
和風の文化を楽しもうとする人にとってはピッタリなものではないでしょうか。
スイレンの花と金魚
今回、姉はこのつまみ細工の技法を使って、これからの夏の季節にふさわしい小物を制作しました。
透明な入れ物の中で、スイレンの花と金魚が綺麗に表現されています。
暑い時期にはこれを見て、一時の冷涼感に浸れそうです。
「公民館活動でつまみ細工『小さな金魚鉢・スイレン』を作りました。
手芸店でつまみ細工を見かけて、きれいだなと眺めたことがありますが、作るのは初めてです。
つまみ細工は江戸時代から伝わる日本の工芸で、布を正方形に切り取ってから折り畳み、組み合わせによってさまざまな形を作る技法だそうです。」
花びらの作り方
「はじめに、スイレンの花に挑戦しました。
先生が大きめの正方形のちりめん9枚、小さめの正方形のちりめん6枚を用意してくれていました。
正方形の周りにボンドをつけ二つ折りにして三角形を作ります。また三角に折ってボンドをつけます。
ピンセットでもう一度三角におり、輪になった頂点の横を斜めに挟んで、下から上に向かって角を持ち上げそれぞれ2つ折りにします。ボンドで固定すると、花びら1枚の完成です。
大きな正方形で作った花びら9枚を小さな丸い台紙に張り付け花にします。その中に小さめの6枚の花びらを乗せ、黄色い芯をつければスイレンの完成です。
つぼみも作りました。」
金魚の作り方
「金魚も花びら作りの技法を使って作りました。金魚らしく見えるのにびっくりです。
集中して作ったので疲れましたが、透明な金魚鉢の中で金魚が涼しそうに、まるで本当に泳いでいるかのように見える出来栄えでした。
花びらの作り方を応用して、ブローチ作りにも挑戦したいと思っています。」
コサージュ
姉は「つまみ細工」が気に入ったようです。父と母の着物を使ってコサージュを作っていました。思い出の品物が新しくリフォームされることになります。
出来たコサージュを見ながら、在りし日の思い出を語り合うことができました。
「つまみ細工の作り方を教わったので、このやり方を利用してコサージュづくりに挑戦してみました。」
父と母の着物をリメーク
「手芸店に行くと、一辺3.5cmや2.5cmの正方形の布を売っていました。きれいな色なので欲しかったのですが、値段が高いので持っている布で代用できないかと押し入れの中を探しました。
捨てるのがもったいなくて母が若いころ着ていた着物を取ってありました。
派手な色だし、薄い絹なので細工もしやすそうです。裏地を使うと3色取れます。これが小物づくりに役立つとは思ってもいませんでした。
正方形に切ってつまんでみました。
柔らかい布なので扱いやすく光沢もありきれいなので、気にいったものが無料でできます。ちょっと得した気分になりました。
色や大きさを変えて適当な量の花びらを作りました。
2色の花びらを重ねたほうがきれいだったので、配色を考えながら2段重ねの花にしました。花の芯の部分は買ってきました。
大きめと小さめの花を作り2つを一緒にしました。
どうやって2つを止めたらいいのか試行錯誤しましたが、布を張った厚紙に2つの花を張り裏へピンを付けました。」
「黄色っぽい着物もあったので、1辺8cmの大きめの正方形で花びらを作ってみました。これならヒマワリが作れそうです。
花びらを11枚作り、張り付けてみました。
ヒマワリっぽく見えるので、さっそく夏のコサージュとして利用できそうです。
花芯の所は茶色っぽい色にしたくて、父のネクタイの布を使いました。
父のネクタイがたくさん残っていて、捨てようかと思ったのですが、生地が良いので芯を除いて取っていました。
縫い合わせて何か作ろうと思いながら実現しないでお蔵入りしていたものです。
利用できて良かったです。
花芯は、丸い厚紙のうえに脱脂綿を置いて布を被せ、ボンドで止めました。
最後に、花びらの上に茶色っぽい花芯を乗せてボンドで止め、裏にピンを付けて完成しました。」
ひまわり
「 剣つまみの作り方を応用したヒマワリ作りを教えてもらいました。
花びらは1辺4センチの正方形の布から作ります。この花びらを10枚作るのは骨の折れる作業でした。
花びらを10枚作り芯の周りに張り付けていきます。
芯の中心に印をつけ、花びらの裏にボンドを多めにつけて円形になるように置いていきました。
ボンドが乾いたら、その上に茶色の芯を貼り付けます。
小さくてかわいいヒマワリを3輪完成させました。
自転車の荷台に3輪を周りから見てきれいに見えるように入れます。花の芯の下には針金がついているので、長さを切って調節しました。
ヒマワリの隙間に造花の花や葉っぱをさして、ヒマワリが引き立つようにしました。
緑の葉が入ることでヒマワリがよく目立つようになったと思います。
ピンクのリボンを入れると華やかさも出ました。
つまみ細工を教えてもらってブローチをたくさん作りましたが、ヒマワリを立体的に飾るのもきれいです。
いろいろな活用方法があるのだなと感心しました。」
おわりに
「本で調べると、今回作った花びらは『剣つまみ』と言うそうです。
『丸つまみ』の技法もあったのでそれにも挑戦してみたいと思っています。
花びらの大きさや色で組み合わせを変えてみても、また違った感じの飾りになりそうです。
私の作品作りは、まだまだ続きそうです。」
姉は、現役で仕事をしていた時は、忙しくて趣味の時間を取ることなどできなかったようです。今は、自由になる時間が増えて、こうしたハンドメイドにチャレンジしたりと大忙しの毎日を送っています。
前向きに「きょういく」(今日行くところがある)と「きょうよう」(今日は用事がある)を実践しています。
私も見習いたいと思っています。