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賃貸不動産経営管理士とは

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はじめに

知り合いの不動産会社の宅建士さんが、賃貸不動産管理士の肩書を名刺に書いてありました。2021(令和3)年4月、ついに賃貸不動産経営管理士が国家資格になりました。

どのような資格であるのかをまとめてみました。 

不動産関係の法と資格

不動産に関する法律と資格については、おおむね次のような関連があります。

①不動産の売買・仲介については「宅地建物取引業法」の宅地建物取引士

②分譲マンションの管理については「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」の管理業務主任者

(マンション管理士は、住人の側に立ってコンサルティングを行い、管理業務主任者は管理会社の社員として管理のマネジメントを行います) 

賃貸不動産経営管理士制度の創設

不動産の売買・仲介、分譲マンションの管理については法律による国家資格がありますが、賃貸不動産の管理については対応する法の整備がなされていませんでした。

国土交通省は2011(平成23)年に「賃貸住宅管理業者登録制度」を施行し、賃貸住宅管理を行う事業者の登録制度を設けました。

登録をしている業者に「賃貸不動産経営管理士」(若しくは管理事務に関し6年以上の実務経験者)の設置義務、また賃貸不動産経営管理士による重要事項の説明義務が課されることになりました。

これを受けて、3つの業界団体が賃貸不動産経営管理士協議会を設立し、賃貸不動産経営管理士制度を創設しました。

2020(令和2)年に「賃貸住宅管理業法」が成立し、2021(令和3)年に施行されました。

この法律によって、新たに200戸以上を管理する管理会社は国土交通大臣に「賃貸住宅管理業」として登録が義務づけられるといったものです。

国に登録されている業者は賃貸業のプロとして、適正な運営が求められるというものです。

賃貸管理業務を行う登録事業者は、事務所に1人以上の業務管理者を設置しなければならず「賃貸不動産経営管理士」が国家資格となりました。 

賃貸不動産経営管理士とは

賃貸住宅の管理に関する知識・技能・倫理観を持った専門家として、賃貸借契約や入居者募集、建物維持管理、更新、原状回復工事といったすべての賃貸管理の面で活躍する国家資格者です。

賃貸不動産経営管理士は民間資格でしたが、2020(令和2)年6月に「賃貸住宅管理業法」が成立したことにより、2021(令和3)年4月に国土交通省令によって国家資格となりました。 

試験について

試験実施要領《2020(令和2)年度のものです》

試験日  令和2年11月15日(日)13:00 ~ 15:00(120分間)

試験会場 全国24地域

受験料  13,200円[税込]

出題形式 四肢択一、50問

《ただし、免除講習修了者(令和元年度及び令和2年度)は45問です。》

受験申込期間 8月17日(月)~9月24日(木)

合格発表 令和3年1月8日(金) 

【出題数と解答時間の増加】 

2019(令和元)年度、40問の90分

2020(令和2)年度、50問の120分

出題数と解答時間が増加しています。国家資格化に向けての準備なのでしょうか。

試験出題範囲

賃貸管理に関する実用的な知識を有するかどうか等を判定することに基準を置くものとし、試験すべき事項はおおむね次のとおりです。

  1. 賃貸管理の意義・役割をめぐる社会状況に関する事項
  2. 賃貸不動産経営管理士のあり方に関する事項
  3. 賃貸住宅管理業者登録制度に関する事項
  4. 管理業務の受託に関する事項
  5. 借主の募集に関する事項
  6. 賃貸借契約に関する事項
  7. 管理実務に関する事項
  8. 建物・設備の知識に関する事項
  9. 賃貸業への支援業務に関する事項(企画提案、不動産証券化、税金、保険等)

試験結果《2019(令和元)年度》

申 込 者  25,032名

受験者数   23,605名(講習修了者6,882名)

合 格 者   8,698名(講習修了者2,641名)

合 格 率   36,8%(講習修了者38,4%)

合否判定基準 

40問中29問以上(講習修了者は36問中25問以上)ですが、2019(令和元)年度のものです。

試験結果《2020(令和2)年度》

申 込 者  29,591名

受験者数   27,338名(講習修了者8,671名)

       〈前年より18,2%の増加です。〉

合 格 者   8,146名(講習修了者2,925名)

       〈前年より6,3%のマイナスです。〉

合 格 率   29,8%(講習修了者33,7%)

       〈前年は36,8%でした。〉

合否判定基準 

50問中34問以上です。

 

2019年度と2020年度を比較すると、受験者がかなり増加しています。資格の国家資格化に伴う駆け込み受験であったのかもしれませんが、増加傾向は今後も続くのではないでしょうか。 

おわりに

2013(平成25)年より試験が始まりましたが、第1回目は受験者3,946名(講習修了者3,386名)でした。

回を重ねるたびに受験生が増加しています。それだけ重要な資格であることが認知されてきていると思います。

賃貸住宅管理業法によって、 賃貸住宅管理業者は事務所に「業務管理者」を置くことが義務付けられました。この「業務管理者」になるための要件を備えているのが、賃貸不動産に関するエキスパートとしての「賃貸不動産経営管理士」です。

法律ができて国家資格になったので、合格に向けてチャレンジする価値のある資格ではないでしょうか。

 追記~宅建士との関係

宅地建物取引士の資格のみを持っている場合、管理業務に関し2年以上の実務経験を持ち、賃貸住宅管理業業務管理者講習を修了した者は「業務管理者」になることはできますが、賃貸不動産経営管理士の資格は取得できません。

※管理業務の実務経験については、別途「実務講習」の修了をもって代えることもできるようです。

 

詳しくは一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会のHPをご覧下さい。↓↓