はじめに
道の駅「大歩危」には妖怪屋敷があるのですが、これは道の駅がある三好市山城町に古くから妖怪伝説が多数残されていることから出来たものです。
道の駅「大歩危」にある妖怪屋敷について、詳しくはこちらをご覧ください。↓↓↓
徳島県三好市山城町は大歩危妖怪村として、山城町に伝わる妖怪伝説を後世に伝え、妖怪と共に暮らす町おこしをしています。
国道32号から山に入っていく道沿いが妖怪古道として整備されています。
コナキジジイの石碑をはじめとして、様々な妖怪のモニュメントが設置されていました。
徳島県三好市山城町の妖怪
徳島県三好市山城町は、コナキジジイやヤギョウサンなど60種類、150か所もの妖怪や憑き物などの妖怪伝説が残っています。
山にはさまざまな危険があり、子どもが近づいたら危ないから、妖怪話をつくって近づかせないようにしようという大人たちの知恵から妖怪が必要だったとされています。
こうしてたくさんの妖怪が生まれ伝承されてきました。
暮らしの中で妖怪伝説が生き続けてきたところです。
世界妖怪協会認定の怪遺産
徳島県三好市山城町は世界妖怪協会から2008(平成20)年に「怪遺産」に認定されました。
世界妖怪協会とは、荒俣 宏、京極夏彦、多田克己らによる会で、初代会長は水木しげるです。
1996(平成8)年に第1回世界妖怪会議が鳥取県境港市で開催されています。
この世界妖怪協会が、後世に残したい妖怪文化の普及に貢献した地域などを対象に「怪遺産」を認定しています。
これまでに認定されたのは、次の3か所です。
2007(平成19)年に鳥取県境港市
2008(平成20)に徳島県三好市
2010(平成22)年に岩手県遠野市
妖怪街道
吉野川に流れ込む藤川谷渓谷沿い(国道32号から入っていきます)に妖怪モニュメントがあちこちに建てられています。
妖怪「ノビアガリ」が出迎えてくれます。
ノビアガリ
竹やぶにいて、次第に伸びあがって竹と同じ背丈になるといわれています。
ヤマジチ
人を5人と飼い犬2匹を食べて吉野川を飛び渡った大男です。
カワミサキ・ヤマミサキ
弁財天
鬼子
一つ目・長足
マド(魔道)
エンコ
カッパによく似た妖怪です。
人が近づくと引っ張り込まれ、尻小玉?を抜かれてしまいます。
児啼爺(コナキジジイ)
阿波の山奥にいる妖怪です。
姿形は爺ですが赤児の鳴き声をします。
哀れに思って抱き上げると俄かに重くなって、離そうとしてもしがみついて離れず、ついには命を奪われてしまうという妖怪です。
柳田邦男の「妖怪名彙」で紹介され、1966(昭和41)年水木しげる氏による「ゲゲゲの鬼太郎」で広く全国に知れ渡ることとなりました。
徳島県三好市はコナキジジイの故郷といわれています。
藤の里公園
妖怪街道の途中に藤の里公園があり、ここにも妖怪モニュメントがたくさんありました。
毎年11月にこの公園で妖怪祭りが地域を上げて行われています。
公園の横を藤川谷が流れています。
夜行さんと首切れ馬(ヤギョウサンとクビキレウマ)
節分の晩に来る髭の生えた一つ目の阿波の鬼です。
夜行日に首の切れた馬に乗って徘徊し、出会うと殺されます。
草履を頭に載せて地に付していればよいと言われています。
二十四の目(マナコ)
蛇殿
昔、お春さんというお嬢さんの所に夜な夜な通ってくる若者がいました。どこの誰かを確かめようとして、針に糸を付けて辿ってみると「くわん淵」に入って行ったのです。お春さんは身ごもりましたが、ドロドロした長いものを産み落として死んでしまいました。「くわん淵」の主を退治しようとしたら、大蛇が現れ天狗の姿に変わって姿を消したといわれています。
カラス天狗
笠をかぶった娘は「藤娘」
何故か森閑とした山あいの公園に、色鮮やかな着物姿の娘さんの像がありました。
違和感がマックスです。
コメントにて「たまパパ」さんより教えて頂いたのですが、藤娘は「木の精で数百年も生き続ける、男性に絡め付いて寄生するなど藤の特性を表現したもの」という妖怪だそうです。
木の上の鬼太郎と目玉おやじの家
おわりに
妖怪モニュメントは、すべて住民の手作りということでした。
妖怪が地域の暮らしの一部になっています。
厳しい環境の中で、自然と共に暮らしてきた人々の知恵ややさしさを感じることが出来る場所でした。