はじめに
四谷シモン人形館は1936(昭和11)年に淡翁・鎌田勝太郎が迎賓館として建築した鉄筋コンクリート造りの2階建て洋館にあります。
香川県坂出市にある創立220年を超える鎌田醤油株式会社の敷地内に建てられたものです。
JR坂出駅から歩いて5分ぐらいの所にあります。
1階は和室中心、2階は洋室中心に作られていて淡翁荘と呼ばれています。
建物が老朽化したために改修され、2014(平成26)年には登録有形文化財となりました。
鎌田醤油の社長さんが四谷シモンの人形に関心があり、2004(平成16)年より、主要作品がここで数多く常設展示されるようになっています。
人形館の内部
昭和の雰囲気を色濃く残している館内には、アンティークな家具と共に人形が置かれています。
ルネ・マグリットの男
玄関を入ってすぐ、山高帽に黒いフロックコ-トの大男の人形が目に飛び込んできました。
大阪万国博覧会の繊維館に展示された15体の内の1体で、1970年に制作されたものです。
独特の雰囲気に圧倒されました。
1階
機械仕掛けの少年
レトロな雰囲気の応接室?の片隅に置かれています。
「男」
下駄に履き替え、小部屋の戸を開けるといました。
「機械仕掛けの人形1」
廊下のふすまを開けると・・・
「キリエ・エレイソン3」
重厚な金庫の中にまで!
1階から2階への階段
「天使―澁澤龍彦に捧ぐ」「未来と過去のアダム」
途中に天使が置かれてあります。
2階
「少年」と「少女」
「目前の愛2」とおばあさんの写真
「未来と過去のイブ」
振り返ると少女?の人形があおむけになっていました。
森谷延雄作「洋風書見木具」
大正時代に作られたモダンなデスクです。
「木枠で出来た少女3」
廊下の戸を開けると出てきました。びっくりしてぶれてしまいました。
庭
よく手入れされた素敵なお庭があります。紅葉も色づいていました。
四谷シモンとは
本名は小林兼光で、1944年生まれの人形作家で俳優です。
東京の四谷に住んでいて、アメリカのジャズ歌手ニーナ・シモンが好きだったので、芸名を四谷シモンとしたようです。
子供の頃から人形作家を志していて、ドイツのハンス・ベルメールの球体関節人形に大きな影響を受けました。
おわりに
シュールな人形ばかりでドキドキしながら見入ってしまいました。
置いてある場所も金庫とか、小部屋とか、押し入れとか、開けてびっくり!
ドキッとする仕掛けがふんだんに施されています。
昭和初期に建てられた歴史のある豪邸の雰囲気とマッチして、特異な空間を創り上げていました。