はじめに
2021(令和3)年度の行政書士試験が11月14日の日曜日に実施されました。
新型コロナの影響で、試験がどうなるのか危ぶまれていたところでしたが、何とか実施されたようです。
3年前に、私も受験しました。
年明けの3月から学習を始めたのですが、その時からの受験勉強を思い出しながら、体験記を綴らせてもらいます。
行政書士試験を受験しようと思っている方にとって、少しでも参考になることが出来ましたら幸いです。
行政書士試験を目指すまで
宅建試験の合格後
宅建試験は2018(平成30)年に、2度目の受験でようやく合格しました。
宅建士証の取得手続きを進めながら、次は何を目指そうかと相変わらず考えあぐねていました。
晴れて宅建士となり、定年後は不動産関係で先ずはアルバイトから働いてみようか、とも考えていました。
しかしネット求人で検索していても適当な求人が見つかりません。
それに、これまでの仕事とあまりにも畑違いなので、初めの一歩を踏み出す勇気が出ませんでした。
2019(平成31)年の1月から2月ぐらいまでネットを見ながらどうしようかと悩んでいたものです。
この時期は定年前でもあったので、結構、毎日の仕事も忙しくて何を目指そうとはっきりと決心するまでには至りませんでした。
定年後は資格マニアになって、いろんな資格試験にチャレンジするのもいいかなと思ったりしていました。
次なる資格試験に挑戦
3月になり、あと1ヶ月で定年を迎える時期となり、そろそろどうするかをはっきりさせた方が良いかなと思うようになりました。
宅建試験は大変だったのですが、法律を勉強することは自分にとって意外と苦も無く勉強していたなと思いました。
ということで何か法律系の資格を目指して勉強してみるかという気になったのです。
どの資格を目指す場合でも、ある程度は学習の時間が必要です。
試験によっては、かなりな準備期間が必要とされます。
試験日までの時間的なことも考えても、早めに計画を練るのは鉄則でしょう。
不動産系のマンション管理士とか、管理業務主任といった、宅建試験に合格した人がめざす資格にチャレンジしようかとも思っていました。
2019(令和元)年の行政書士試験合格を目標
他にもあの資格もこの資格もいいなあといろいろ迷っていたのですが、いつまでも迷う訳にもいかず行政書士にしようと決意までとはいきませんが、その方向で進めてみることとしました。
行政書士がどのようなことをしているのか、資格を取ってどのようにそれを生かしていくのかなど肝心なことについてはあまり考えていませんでした。
そういったことは、まず合格してから考えればいいと思ったからです。
合格しなければ始まりませんから、それでいいと考えていました。
資格としては難しい試験のようだったので、まずは合格することが目標になっており、ほかのことは考えられないし、考えても仕方がないことではありました。
今思い返すと、それはその通りなのですが、資格を取ってからそれをどのように生かしていくのかといったビジョンぐらいは、概略でもよいので持っておいた方が良かったかとも思います。
試験勉強の方法
独学で勉強
できるだけお金をかけずに資格取得をしようと考えていたので、初めから独学の方向でした。
宅建試験の経験から、何となくそれでいける気になっていたものです。
3月になって、宅建受験の時と同じく、本屋へテキストを選びに行きました。
こんな田舎の本屋さんにも行政書士のさまざまな参考書が並んでいたので、受験しようと考えている方はたくさんいるのだと思ったものです。
どれを購入すれば良いのか見当もつかず、とりあえず「ドンドン解ける!行政書士 合格テキスト」(成美堂出版)を買って学習することにしました。
受験に向けての方針
成美堂出版のテキストを一通り学んでから、その後、とにかく過去問を解いていくという方針で取り組みました。
宅建受験の経験から、とりあえずテキストを一通りやった後、問題演習を通して理解を深め、知識を定着させることが大切です。
それこそが資格試験の受験勉強の効率的なやり方であるということを学んだので、その方向で迷いはありませんでした。
宅建試験との違い
いざテキストに沿って学んでいくと、これはもう宅建の学習内容の何倍もの分量と深さがあることが分かってきました。
これは今年の合格は難しいなと思ったものです。
ちなみに、行政書士試験の出題範囲は、①憲法 ②民法 ③商法 ④行政法 ⑤基礎法学 ⑥一般知識 となっています。
このうち宅建試験のときに民法を多少かじりましたので、その知識は何とか生かせるように感じました。
それで手始めに民法からやり始めました。
成年後見人とか、物件変動とか、いろいろな法律用語を多少なりとも知っていることは役に立ったと思います。
民法学習の不安
宅建試験での学習は法律用語を知ることが出来たというだけのことであり、かじった程度であることを、学習すればするほど思い知らされていきます。
特に民法は条文が多くて多岐にわたっており、奥の深い分野です。
民法の問題を解くことが出来るのかという不安が募っていきました。
それでも民法以外はまったく1からということで、どうもよく分からないままテキストを読み進めていきました。
テキストの変更
3月になってから1週間ぐらい、買ってきたテキストを読み進めていたのですが、どうも内容的に難しく感じてきました。
もう少し自分の理解力にあったテキストはないか、と再び本屋へ行ってみました。
そこで伊藤塾編の「うかる!行政書士 総合テキスト」(日本経済新聞出版社)を手にとって内容を確認したところ、こちらの方が、今の私のレベルにあっていそうな気がして、この本を買い求めました。
伊藤塾は法律系の資格試験に強い所なので、内容が理解しやすいかとも思いました。
また、「ハンディ行政書士六法」が別冊でついており、やっぱり元になる法律を読んでおかなければいけないと感じていた頃なので、これも決め手でした。
結局、以後は問題集なども伊藤塾の出しているものを利用することとなりました。
夏から秋にかけて
8月に出願
2019(令和元)年、7月29日~8月30日までが出願の期間でした。
夏の暑い時期には、よく冷房のきいた図書館へ行っていました。
自宅での勉強でも良さそうなものですが、気分転換にもなるので行っていました。
私の行っていた図書館は、自習ができる割とゆったりした机があり、そこで集中して勉強することができたのです。
しかし夏休み中でもあり、高校生らの受験生が開館前から入り口に並んで机の確保を狙っている状態でした。
私も希望する机にたどりつけるように早く行って並んでいました。
図書館での学習
夏休み中の図書館での自習は、快適なように思えるのですが、意外と苦労をしました。
場所によって、冷房の具合が良くなかったのです。
特に、冷房の風に長時間あたっていると体が冷えて体調が変になるのです。
はじめは冷房が気持ちよく感じるのですが、だんだんと冷えてきて辛抱できなくなってきます。
図書館は大きな空間なので細かく調節が効きませんし、また出来ない所なので、ここは自分で重ね着をするなりしなければなりませんでした。
長時間にわたり、机に向かって勉強しなければならない場合、空調は自宅ならうまく調節できるけれども、公共の場である図書館ではそうもいかないことが実感として理解できました。
ただ、私にとっては図書館での自習は合っていたようで学習がはかどったと思います。
図書館で夏を過ごしている間に、出願をしました。
予想問題集
10月になって「うかる!行政書士 直前模試2019年度版 伊藤塾編」(日本経済新聞出版社)という予想問題集を購入しました。
過去問ばかりやってきたので、本番に向けてどれぐらいできるのかを確かめてみようと思ったからです。
予想問題集の使い方として、「本試験に臨むつもりで、時間を厳守して取り組みましょう」と書いてありましたが、時間を限って問題を解くのは自信がないので、いつものように一つ一つ解いていきました。
時間を気にせずに解いて行ったのですが、全体としては出来たような出来なかったような感じでした。
あと1ヶ月
予想問題集は、初めて見る問題ばかりで、良く分からないことだらけでした。
こんなことで本番の試験は点がとれるのだろうかと不安が募っていったものです。
時期的に試験勉強をするのは、あと1ヶ月程度の期間しかなかったので、この予想問題集を繰り返すことにしました。
ただ、一般知識等の分野は1回だけで、その他の法令分野は4回は繰り返していきました。
もちろん、この間にも過去問はあわせて復習していました。
このように、試験の直前まで、ひたすら問題演習ばかりを繰り返すという学習方法でした。
試験本番
試験直前
2019(令和元)年11月10日の日曜日が行政書士試験の当日でした。
試験の日、1週間前にようやく郵送で受験票が送られてきました。
受験票が、なかなか送られてこなかったので、やや不安になっていたところでした。
ついに試験の日を迎えることとなりました。
宅建の試験を2回も受けたので、試験慣れしたのか、緊張感はそれほどでもありません。
大学のキャンパスで受験することに指定されていました。
集合時間は12時20分でしたが、遅れてはならじと2時間前の10時20分に到着してしまいました。
ちなみに試験は13時~16時の3時間です。
何事につけても心配性な性格なのですが、えらく早く行ったものです。
時間に余裕があり過ぎたので、建て物の外から会場を確認した後、大学の食堂でお昼を食べました。
試験会場に着席
12時20分には着席していなければと思い、12時ちょうどには試験会場へ入りました。
200人ぐらいの階段状の大教室に100人ぐらいはいたかなと思います。
女性も4割ぐらいはいて、割と年配の方が多いという印象でした。(といっても自分も60をこえていますが・・・)
席についた途端にトイレに行きたくなり、やっぱり緊張していました。
これから3時間もじっと座って試験に向き合わなければならないと思っただけで「大丈夫かな?」という不安の気持ちが大きかったのを覚えています。
試験開始前
いよいよ試験が始まりました。
試験監督の方から問題用紙と解答用紙が配布され、試験についての注意事項が話されました。
一番の気がかりは3時間も座って試験を受けることが出来るのか?ということでした。
なにせ大学受験以来、こんなに長いテストを受けたためしがないので、そこが一番の心配事でした。
問題が解けるかどうかよりも、こんなことを心配しなければならない年齢なんです。
試験は1時間半だったか2時間だったか過ぎれば退出してもよいと説明があり、なるほどそうなっているんだと妙に得心したものでした。
試験開始
とうとう問題を解く時間となりました。
まず解答用紙に氏名を書き、受験番号と生年月日をマークしました。
マーク世代ではないので、コンピューターにきちんと読んでもらわないと水の泡になってしまうと思ってしまいます。
やたらと丁寧に塗りつぶしているので時間が余計にかかってしまいました。
センター試験の前の、共通一次試験のまだ前の大学入試を受けた世代です。
国立大学の入試は1期校、2期校の時代で、問題は記述式や記号の解答が求められていました。
そんな訳で何の根拠もないのですが、マーク式は何か信用が置けないものと不信感を持ってしまっています。
さて、第1問から解答を始めたわけですが、これはもう本当に無我夢中といった状態で文章を読み、必死に解答をしていきました。
「時間がない!」
3時間という試験時間は長いと思っていたのですが、とにかく時間がないとあせって問題を解いていました。
考える間もなく、読み返す間もなく、次々と解答してはマークしていかなければ全部できない試験でした。
記述式の問題があるのですが、これは最後の残り30分にやっと解答することができました。
記述式問題
最後の記述式問題は3問あります。
行政法が1問、民法が2問でいずれも40字程度で記述せよというものです。
このうち民法の1問はできたかな?という多少の手応えはありましたが、あとの2問は何を問うているのかも理解できず、それでも何かを書かなければ点にならないと考えてとにかく書きました。
全部とりあえず解答を終えることはできたところで、終了となりました。
終了時の感想
終わった時点の素直な感想は、これではとてもではないが合格点(60%)には達していないというものでした。
行政書士試験のレベルの高さを思い知らされました。
監督の方が解答用紙を集めているときに、ふと周りの人の解答用紙を見てしまいました。
手が回らなかったのか、記述の問題を解答してない人がいたり、斜め前の20代後半の男性でしたが、きちんと記述問題まで余裕で書いてあるのが見えたりと周りの受験生の様子を少し窺い知ることができました。
終了後
とりあえずはこれで終わったという、気が抜けた状態になりました。
それにしてもこの年になって3時間という長い時間、一心不乱に問題に取り組むことができるものだ、というのがその時の正直な感想です。
帰り際、階段をおりた出口の所で、行政書士会に入会しましょうといった案内をしていました。
合格できるかどうか分からない人にも案内していることに、少し複雑な思いを抱きながら家路についたものです。
自己採点
解答速報で自己採点
試験が終わり、とてもではないけれど今年はダメだ!という思いがますます強まりました。
そうした思いを抱えたまま家に帰り、来年のためにも出来たところ出来なかったところをしっかりと見つめ直しておかなければいけないと考え、解答速報により答え合わせをしていきました。
伊藤塾とTAC(株)2社の解答速報をネットで印刷して自己採点を行いました。
結果は次のようなものでした。
5肢択一式 各4点で計216点の内、得点の合計144点
|
問題の数 |
正解の数と得点 |
基礎法学 憲 法 行政法 民 法 商 法 政治・経済 情報関係 文章理解 |
2問 5問 19問 9問 5問 7問 4問 3問 |
2問で 8点 2問で 8点 14問で56点 4問で16点 3問で12点 5問で20点 4問で16点 2問で 8点 |
多肢選択式 各2点で計24点の内、得点の合計16点
憲 法 行政法 |
4問 8問 |
3問で 6点 5問で10点 |
記述式 (各20点で計60点)
行政法 1問
民 法 2問
自己採点結果
自己採点の結果は、記述式の問題を除いて合計160点でした。
自分としては意外に得点できていると驚いたものです。
試験中の手応えの無さや、焦って解答していたことなどを思い出すと、こんなに得点していることが不思議でなりませんでした。
300点中の180点以上が合格なので、記述式で20点以上あれば合格となります。
しかし、この時点では記述の解答はまったく自信がなかったので合格は微妙としか思えませんでした。
どちらかというと、今年はダメだな、と思う方が強かったのです。
来年の試験に向けて分析
そこで今一度、来年の試験に向けて、何が出来て何が出来なかったかを自分なりに分析してみました。
ネットの試験解説によると、今年の試験は全体的には例年通りの難易度であったが、昨年に比較し憲法が難化し一般知識等が易化していたということでした。
私は昨年の試験を受けているわけではなかったので、ネットにおける先生方の解説を見ながらそういうものかと、自分の解答を検討してみました。
憲法分野が5問中2問の正解で、一般知識等は11問中9問正解でした。
確かに一般知識等で点数を稼いでいました。
やっぱり民法
ただ私の場合、民法の分野が明らかに理解力不足であることを思い知らされました。
民法分野は9問中4問しか正答できていませんでした。
試験中も民法のところはよく分からず、当てずっぽうに解答していた感じです。
法律を学ぶ上で基礎基本の民法の理解が決定的に不足していたのです。
これでは、もし来年に受験となったときにまた点数が足らずに不合格になってしまいます。
自分にとっての課題は民法だと思い定めました。
試験日から合格発表までの1ヶ月半
行政書士試験が11月10日で合格発表は1月29日です。
試験から3ヶ月以上、待っていなければなりません。
どうしてこんなにも時間がかかるのでしょうか?
自己採点をして、択一式の問題で180点以上あれば合格の発表をゆっくりと待っていればいいし、次にどうするかも考えることが出来ますが、択一式で160点しかない私はそうもいきません。
記述式で何点取れているか分かりませんし、試験の手応えとして20点以上あるとも思えませんでした。
来年に向けての学習
来年こそは余裕で合格したいと考え、早速、勉強に取りかかりました。
何をしなければいけないか、ということは今回の試験の反省からはっきりとしていました。
択一式で180点以上取ることです。
そのためにも、やっぱり民法を理解し得点できるようにしておかなければなりません。
法律系の試験では、民法の理解が欠かせないということが身に染みました。
民法は分量が多くて時間がかかります。
結果が分かってからも、2月ぐらいまではじっくりと民法に向き合おうと思い定めました。
民法の基本書
民法の学習を痛感しましたので、ネットをググって民法に関する基礎的な参考書を探してみました。
それで法学書院の「民法がわかった(改訂第5版)」を買い求めました。
この本は「法律を基礎からしっかり理解できるように、具体例・図表・判例などを用いて、よりやさしく、よりわかりやすくをコンセプトに、ていねいに解説した基本テキスト」という「わかったシリーズ」のひとつです。
他に「行政法の基礎がわかった」「憲法がわかった」「刑法がわかった」などがあります。
これまで、民法の基礎的な事柄をやってなかったので、これをよい機会にしてじっくりと学んでゆくことにしました。
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民法の問題集
民法の基本書を1ヶ月ほど読みこなした後、やはり問題を解きながら知識の定着を図らなければならないと思い、問題集を探し始めました。
ユーチューブを見ていたとき、行政書士試験合格者の方が「民法はこれで勉強しました」とある本を紹介していました。
それが「公務員試験 新スーパー過去問ゼミ5」(実務教育出版)でした。
これは「民法Ⅰ総則 物権 担保物件」と「民法Ⅱ債権総論・各論 家族法」の2冊に分かれていて、公務員試験の過去問が収録されています。
公務員試験向けではありますが、内容は民法の理解を進める上で大変よいもののようでした。
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民法問題演習
早速、通販で買い求めて取り組みはじめました。
内容はテーマ毎に「必修問題→ポイント解説→実践問題→問題の解説」といった具合に進めていけるようになっています。
12月中旬から1月末まで、この問題集に取り組み3回繰り返しました。
一通り全部の民法分野を満遍なく学習できたと思います。
合格発表
来年の試験に向けて、民法を勉強している中で、いよいよ1月29日の合格発表の日がやってきました。
本当に長く待たされました。
11月10日が試験だったので、2カ月半以上、経っています。
行政書士試験研究センターのHPを開いて、合格者の受験番号を確認すると何とまあ自分の番号がありました。
あれで合格点をクリアしていた、記述問題で20点以上あったんだと、安堵した気持ちと素直によかったという思いが沸き上がってきました。
合格通知
合格発表の日から2,3日してから合否通知書が郵送されてきました。
記述式はいったい何点だろうかと少し気になっていました。
ハガキには得点結果が記載されており、それによると次のような結果でした。
法令等 択一式 5肢択一式 100点
〃 多肢選択式 18点
記述式 28点
一般知識等 択一式 5肢択一式 44点
総 得 点 190点
記述式が28点もあることにビックリです。
1問はまずまず出来たかなという私の感触だったので、それで20点あるかどうか、あればうれしいなという程度でした。
ネットの先生方の講評を見ていると、どうも記述式の採点自体が甘かったのではないかということが言われていました。
記述式問題について
記述式問題の採点は甘かったのでしょうか。
行政書士試験というのは60%以上の得点で合格できるようになっており、宅建試験などのように上位何人ぐらいという試験ではないからだということでした。
つまり、行政書士試験は試験自体が難しかろうが簡単であろうが、要は60%以上の得点があれば合格となります。
すると試験がやたら難しいと合格者が極端に少なくなり、逆に試験が簡単だとものすごい数の合格者が出てしまうということのようです。
過去には、試験が難しかったために4~5%の合格者しか出してないこともあったようです。
毎年の試験問題を均一にすることは至難のわざでしょう。
問題を作製されている方もご苦労なさっていると思います。
そこで、難易度の均一化を目指して作成はするけれども、多少の難易度の差は記述式問題の採点の仕方を調整することで対応しているのではないか、との話がネットにはありました。
どこまで本当なのかは確かめるすべが無いので確認のしようがありません。
私は記述式で28点でしたので、そういうものかとも思ってしまいましたが、素直に正解出来ていたんだと思っています。
試験のデータ
過去のデータ
過去の受験者数・合格者数・合格率は以下の通りです。
年度 |
受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
2013 |
55,436人 |
5,597人 |
10,10% |
2014 |
48,869人 |
4,043人 |
8,27% |
2015 |
44,366人 |
5,820人 |
13,12% |
2016 |
41,053人 |
4,084人 |
9,95% |
2017 |
40,449人 |
6,360人 |
15,72% |
2018 |
39,105人 |
4,968人 |
12,7% |
2019 |
39,821人 |
4,571人 |
11,5% |
2020 |
41,681人 |
4,407人 |
10,7% |
毎年、適度な人数の合格者をだすために問題を作成するのは、本当に大変だと思います。
試験を作成している方々はとても苦労していることでしょうね。
行政書士試験は「一般財団法人 行政書士試験研究センター」が実施していますが、このような専門の試験研究センターがなければ、とても出来ないことだと思います。
大学入試センターみたいなものでしょうか。
2020(令和2)年のデータ
受験者
2020(令和2)年度の試験結果のデータが行政書士試験研究センターのHPで公表されています。
それによると昨年度の比較で、今年度の受験申し込み者数は2,461人の増加で54,847人、受験者数は1,860人の増加で41,681人であり、受験率は75.6%です。
試験の申し込みはするけれど、受験しない人が4人に1人はいるということです。
申し込みをするのに受験料がかかるので、もったいないですね。
合格者
合格者数は101人の減少で4,470人、男女別では男性が3,288人、女性が1,182人でした。女性が男性の3分の1ということです。
行政書士試験は女性にとって勉強しやすい試験だと思うのですが、意外と少ないと感じました。
合格率は10.7%となっていました。
過去10年間の合格率も公開されていますが2010(平成22)年が6.6%で最低、最高は2017(平成29)年度が15.7%でした。
過去5年間のデータを見ると、だいたい10%は超えているので、大きな変化はなく例年通りの合格率だと考えられます。
平均点など
合格者の平均点は195点でした。私が受験した時の平均点は196点で、私の得点は192点でした。
最年少合格者が、なんと15歳の男性です。高校1年生でしょうか。
あの問題を解答して合格点を取っているのですから恐るべしです。
最年長合格者は76歳の男性です。
年を重ねても学ぼうとする姿勢に頭が下がります。私もこうありたいと思いました。
ちなみに60歳代以上の受験者数は4,547人でした。
おわりに
3月から受験勉強を始めて11月の試験まで、長かったような短かったような期間でした。
タイトル的に言えば「8カ月で一発合格」と言うことになるのですが、とても合格するだけの実力が身に付いたとは自信を持っていうことは出来ません。
点数的にもギリギリですし、何より自分自身で法律のことが理解できて人にも説明できる、などという水準にはとうてい及ばないことはよく分かっています。
振り返ると、宅建の試験を経験していたので、試験に合格できる勉強法がなんとなく分かっていたことが、幸いにも行政書士試験の合格に繋がっていたのではないかと思います。
試験は一度で合格できるに越したことはありません。
これから行政書士試験を受験しようと思われる方々の参考に、私の体験が少しでもお役立てばと願っています。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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