はじめに
姉は、お正月には必ず花を活けてきました。親が活けていたのを見ていたので、引き継いでいます。
家族や親戚の人しか鑑賞することはありませんが、お正月を新鮮な気持ちで迎えるために、活けているということです。
お正月の生け花の思い出
昔、正月前になると母親は父親と一緒に、親戚のタケノコ山に行き、枝ぶりの良い竹を探して持ち帰っていました。
長い竹なので、上の方をはねて1メートルぐらい短くしていました。
竹は水揚げが悪いので、すぐに葉っぱがしおれてしまいます。
そこで水揚げを工夫していました。
葉っぱの量を減らし、竹の中を突いて穴をあけて沸騰したお湯を流し込みます。
新聞で竹の穴にふたをし、冷たい池の水に1日ぐらい浸けておくとピンとしてきます。
この方法なら、しばらくは枯れないと自慢していました。
活ける時には、竹の元に松を添えていました。
剣山に刺すのも大変だったようですが、2,3個は活けて、あちこちに置いていました。
我が家のお正月の風物詩でした。
姉の生け花
姉は、お正月には松や1年中枯れない緑の葉っぱ「万年青(おもと)」を活けていたようです。
昔は形が決まっている「格花」を主に練習して活けていましたが、このところは現代風の新しい生け花である「新花」を活けています。
今回の作品は「新花」で、「格花」は活けるのが大変なのでしてないようです。
(賑やかに安上がりに活けているので、出来栄えは見事なものです。)
姉は、お正月を華やかに飾るため、毎年、生け花を飾っていますが、出来栄えは見事なものです。
姉の作品
①菊、ロウバイ、千両、松、椿を活けて廊下の正面に飾りました。
②菊、ロウバイ、千両、松、椿、ナンテン、葉ボタン、ユリを活けて居間に飾りました。
③菊、ロウバイ、黄色と赤の千両、松、椿、ナンテン、葉ボタン、ユリ、桜を活けて玄関に飾りました。
使用する花卉は自家製?
植えている南天を使いたいのですが、12月になると実が落ちてしまったそうです。
千両も自家栽培していますが、夏の暑さで実が全部落ちてしまい、買って植えていた葉
ボタンも成長していなくて使えなかったそうです。
親戚から大きなロウバイの木と椿をもらったり、家の周りにあった松や椿を使ったりもしています。
菊や南天ユリ葉ボタン千両は近くの産直で安く手に入ったようでした。
出来るだけ家にあるものを使って活けたいと考えていますが、なかなかうまくいかない
と言っていました。
仕上げのコツ
姉に聞くいたところ、
「南天の赤は華やかさが出ますし、葉ボタンと菊を入れれば、さらにお正月らしくなります。
いちばん高いところにロウバイや南天を配置して白や黄色の菊を次にし、色の濃い花や
小菊は下に使います。
足元に葉ボタンや椿を入れると引き締まり、松の新芽を入れると緑が増えて全体によく
調和したと思います。
花や木を生かすため、お互いに重ならないで少しでも見えるように気を付けています。
これで2~3週間は綺麗な生け花を楽しむことができます。」
と言っていました。
おわりに
きれいに花を活けることができたので、気分も新しくお正月を迎えることができます。
花を見ると気分が癒されてきます。私が元気なうちはずっと続けていきたいと思ってい
ます。
追記
姉は、手作りでお正月向けの飾りも作っています。とってもきれいに仕上がっていました。
リボンは畳縁で作ったそうです。