はじめに
四国には6つの国宝に指定された建造物があります。
香川県に2件、愛媛県に3件、高知県に1件が指定されていますが、残念ながら徳島県にはありません。
全国には228件(291棟)の国宝建造物があるので、数からいうと少ないと思いますが、一つひとつは歴史のある素晴らしいものです。
香川県の国宝
香川県には坂出市にある神社で1件、三豊市にあるお寺で1件が国宝に指定されています。
神谷神社の本殿
坂出市にある白峯山の麓の住宅街を抜けたところにある小さな神社です。鎌倉時代初期の1219年、建築された三間社流れ造りの社殿です。
この神社の本殿は神社建築としては四国で唯一、国宝に指定されています。1955(昭和30)年に指定されました。
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本山寺の本堂
四国八十八か所巡りの70番札所になっているのが本山寺です。
国宝の本堂は、1300年に京極氏と佐々木氏の寄進によって建立されています。和様の建築様式ですが、細部に禅宗様が取り入れられています。
1955(昭和30)年に国宝に指定されました。
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愛媛県の国宝
愛媛県では松山市にあるお寺の3件が国宝に指定されています。
石手寺の仁王門
四国八十八か所巡りの51番札所になっているのが石手寺です。
国宝の仁王門は1318年の建立とみられ、鎌倉期建築の特徴がよく現れています。
1952(昭和27)年に国宝に指定されています。
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大宝寺の本堂
阿弥陀堂形式を用いて鎌倉時代前期に建築されたといわれており、愛媛県で最も古い和様の建築物です。
本堂内部に安置されている厨子と1685年と記されている修理棟札が一緒に国宝とされています。1953(昭和28)年に国宝に指定されています。
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太山寺の本堂
堂内の墨書から1305年に建築されたと判明しました。
県下最大の木造建築で全国屈指の規模を誇っている密教寺院の本堂です。
和様・大仏様・禅宗様が融合しており、1956(昭和31)年に国宝に指定されています。
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高知県の国宝
高知県北部の大豊町にあるお寺で1件が国宝に指定されています。
豊楽寺の薬師堂
豊楽寺(ぶらくじ)薬師堂は四国最古の建物で1952(昭和27)年に国宝に指定されています。
建築年代ははっきりしていませんが、平安時代末から鎌倉時代初めだとされています。
単層入母屋造りの杮葺きとなっており、屋根の勾配がゆるやかで軒先の反りが優美で美しい姿をしています。
全体は鳳凰が飛んでいる姿に似ており、洗練された古雅優美な姿をしており、平安時代の藤原式古法そのままの作り方とされています。
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おわりに
四国の国宝は、いずれも鎌倉時代までの建築のようです。
それぞれの場所で、すでに700年以上にわたって存在しています。
木造の建物がこれほどの長期間、保存されてきていることは多くの人々によって大切にされてきたということです。
どれも素晴らしいものばかりなので、将来にわたって大切に守り伝えるだけでなく、多くの人々にも見て欲しいものです。