はじめに
松島と言えば、京都の天橋立、厳島神社のある宮島と並んで日本三景の一つとして知られる宮城県の「陸前の松島」のことで、たくさんの島々からなる多島美の際立つ景勝地として有名です。
「陸前の松島」は、古来より和歌の枕詞に使われたり、松尾芭蕉がこの地を訪れたりと、文芸の面にも大きな影響を与えてきました。
徳島県阿南市、津峯神社(つのみねじんじゃ)のある津峯山から見る海岸地帯も、「陸前の松島」に負けず劣らず美しい景観となっていることから、「阿波の松島」と称されています。
津峯スカイライン
山麓から津峯神社のある山頂付近までは全長3,7kmの津峯スカイラインが通っており、四季折々の景観を楽しみながらドライブすることができます。
神社への階段
スカイラインの終点には、広い駐車場が整備されていて、ここから神社へは、リフトに乗って行くこともできるし、階段を上って行くこともできます。
ここから300段ほどの階段を上がっていきます。
津峯山参詣リフト
駐車場のすぐ側にある陣ヶ丸駅から頂上駅である津峯神社駅まで、5分ほどの空中散歩を楽しむことができます。
山麓の陣ヶ丸駅
リフトより
山頂の津峯神社駅
神社への参道
シャッターアート
リフトを降りると、きれいなシャッターアートがすぐに目に付きます。
地元の書道家による書と、紅葉に見立てた子供たちの手形がたくさん押されていて、素敵なデザインでした。
休憩所
「津峯茶屋」と名付けられた、お洒落な休憩所です。
大きな暖簾に描かれているのは神社の御神紋「八角御紋」です。
御紋のデザインは、神社の御祭神である賀志波比売命(カシハヒメノミコト)のカシハヒメの語源とされた柏の葉に由来しているといわれています。
津峯神社
手水舎から拝殿へ
拝殿
津峯神社は、1200年前に創建されたといわれ、賀志波比売命(カシハヒメノミコト)を御祭神としています。延命長寿の守護神とされていることから、病気平癒、交通安全、海上安全といった祈願のため、多くの人が参拝しています。
神社によると賀志波比売命を祀っているのは、ここだけのようです。
末社
拝殿の隣には、大国主(オオクニヌシ)と事代主(コトシロヌシ)を祀った社があります。
御神木
古色蒼然とした御神木の下には、縁起の良い鶴亀が置かれています。
七福神宝船
大国主は大黒さまで事代主は恵比寿さまとされているので、それにちなんでか、おめでたい七福神の像が奉納されていました。
芭蕉の句碑
「月はやしこすゑは雨をもちながら」
お月様にかかる雲の流れが早く、梢に残っている雨のしずくに月の光があたって美しいさまを詠んだ句のようです。
神社から見るお月様は、格別なことでしょうね。
おわりに
山頂にある神社からは眼下に「阿波の松島」といわれる橘湾の景色を展望することができます。かなり古くから営業しているリフトに乗りながらも、雄大な景色を楽しむことができます。
よく整備された立派な神社では、欲張りな祈願をすることもできるし、素晴らしい景色も堪能できるし、お参りに来てよかったと思いました。
追記:古札納所
古いお札やお守りを納めておくと、お祓いしてお焚き上げしてくださるようです。