坊っちゃんスタジアム
松山市にある愛称「坊っちゃんスタジアム」は四国で唯一、3万人規模の収容人員を有する野球場です。
野球王国として知られる愛媛県を代表する野球場として2000(平成12)年に、松山城のすぐ下にある松山城山公園から、松山市南部の松山中央公園に移転して建築されました。
スタジアムではプロ野球の公式戦も行われ、オールスターゲームも開催されています。
正岡子規の句碑
俳人であり、明治を代表する文学者であった正岡子規が、松山に野球を伝えたと言われています。
幼名の升(のぼる)にちなんで「野球(のぼーる)」という雅号もあります。
彼は実際に野球を楽しんでおり、「打者」「走者」「四球」などの野球用語を日本語に訳しました。
スタジアムの前には、正岡子規の句碑が建立されています。
「 草茂み ベースボールの 道白し 」
野球歴史博物館
野球場である「坊っちゃんスタジアム」に併設されているのが野球歴史博物館(の・ボールミュージアム)です。
スタジアムのスタンドの下にある正面入り口から、向かって右側が「野球歴史博物館」、向かって左側が「の・ボールミュージアム」となっています。
「野球歴史博物館」
「野球歴史博物館」は、愛媛のアマチュア野球の歴史を紹介する展示となっています。
松山に初めて野球を伝えた正岡子規が、左の構えでボールを待つ姿が再現されています。
野球王国愛媛の歴史を記した年表や、昭和初期の全国選抜中等学校野球大会の記念の参加賞などが展示されていまた。
松山市出身のイラストレーターである、茂本ヒデキチ氏の迫力ある墨絵アートが展示されていました。
「の・ボールミュージアム」
「の・ボールミュージアム」は、プロ野球関連の展示となっています。
坊っちゃんスタジアムでは2度のプロ野球オールスターゲームが開催されていますが、その時の盛り上がりの様子や地元出身のプロ野球選手・スター選手ゆかりの品々がたくさん展示されています。
平成16年から、ヤクルトスワローズが松山市で秋季キャンプを実施しており、これを機として、毎年、プロ野球公式戦が「坊っちゃんスタジアム」で行われています。
このようなヤクルトスワローズと松山市の縁があることから、関連する資料も多く展示されていました。
古田選手が、2000本安打を達成したときの記念のユニフォーム
左が「松井秀喜」さん、右が「松坂大輔」さんのグローブと手形
景浦 將(かげうら まさる、1915年~1945年)
松山市出身で、戦前、大阪タイガースで活躍した元プロ野球選手です。タイガースの中心打者として沢村栄治と名勝負を繰り広げました。
NPBの歴史に残る数々の素晴らしい成績を残しましたが、フィリピンにて29歳という若さで戦死されています。
おわりに
野球の盛んな愛媛を象徴するスタジアムと資料館です。
戦前からの、愛媛における野球の歴史を学ぶことができました。
今ではこんなにも野球が広く楽しまれており、正岡子規がこの光景を見たら、どんな句を詠むのでしょう。
子規は、さぞ驚くことでしょうが、案外、そうなるだろうとお見通しだったのかもしれませんね。