はじめに
瀬戸内芸術祭は3年に1度、香川県を中心とした瀬戸内海にある12の島と2つの港を舞台に開催される現代アートの祭典です。
「瀬戸芸」の略称で知られていて、春・夏・秋の3会期に分かれて実施されます。
今年の4月14日から5月18日の35日間にわたって、各地で春会期が開催されています。
今回、会場の一つである香川県坂出市の沙弥島へ行ってきました。
坂出市沙弥島の北のナカンダ浜からの瀬戸大橋
瀬戸芸作品
「階層・地層・層」ターニャ・プレミンガー
「八人九脚」藤本修三
沙弥島の隣の瀬戸大橋記念公園にある作品です。
「月への道」レオニート・チシコフ
沙弥島とは
沙弥島は、かつては坂出市の沖合約4kmに浮かぶ小さな島でしたが、1967(昭和42)年に臨海工業地帯を創出するための埋め立て事業が行われ、陸続きとなりました。
島自体の歴史は古く、縄文土器が出土していたり、何基かの古墳も存在が確認されていたりしています。
7世紀末、万葉歌人である柿本人麻呂が詠んだ歌の中に、狭岑島(さみねのしま)が登場しています。この島が現在の沙弥島であることから、万葉集ゆかりの島とも言われていて、記念の歌碑が建てられています。
島の海岸からは、1988(昭和63)年に完成した瀬戸大橋を手に取るように望むことができます。
海岸沿いには遊歩道が整備されており、古代からずっと変わっていない美しい多島美と瀬戸大橋を目の前で楽しむことができます。
柿本人麻呂歌碑
柿本人麻呂歌碑から見る瀬戸大橋
おわりに
今は陸続きですが、昔ながらの風情が残っている小さくて静かな島に、瀬戸芸に出品されている作品を鑑賞するために多くの人がやって来て、賑わっていました。
芸術作品も素晴らしいものでしたが、穏やかな瀬戸の海とそこに暮らす人々の営みを感じること、そのものが素晴らしい体験だと思います。
瀬戸芸をきっかけとして、もっと多くの人に瀬戸内海のすばらしさを感じてもらえたらいいなと思いました。
追記:瀬戸大橋記念公園
沙弥島の隣にある瀬戸大橋記念公園の一部も瀬戸芸の会場になっています。
瀬戸大橋記念公園について、詳しくはこちらをご覧ください。↓↓↓