はじめに
2004(平成16)年に 重信町と川内町が合併した東温市に設置されている地域の歴史や民俗に関係する史資料を保存・展示公開する施設です。
遠くには伊予の山々が連なり、畑や田んぼに囲まれた田園風景が広がる地域に建物があります。
東温市立図書館・天体観測室と併設している建物の3階部分が歴史民俗資料館となっています。
展示
資料館には東温市の歴史や文化を学べる資料や民具が展示されています。
発掘調査で出土した遺物や、江戸時代の文書、農具をはじめとするさまざまな民具等、東温市の郷土文化に関わる歴史資料があります。
縄をなう機械
我が家も農家だったので、この機械がありました。
出土品
揚り畑(あがりはた)遺跡や向井古墳からの出土品が展示されていました。
安国寺古地図
安国寺は東温市にある1339年建立の古刹です。
創建から500年後の1825年に描かれた古地図が展示されていました。
災害の記録
水害
1943(昭和18)年、台風によって東温市の真ん中を東西に流れている重信川が決壊し大きな被害を受けました。この時の家屋被害は約12,500戸に上ったそうです。
1945(昭和20)年にも豪雨によって再び堤防が決壊しています。
度々の水害を防ぐために、長年にわたって堤防の復旧・補強工事が行われてきましたが、その記録を後世に伝える資料が展示されていました。
南海地震とハレー彗星の記録
教育者として郷土の発展に尽くした相原直温氏の日記が展示されています。
日記は明治10年代から1948(昭和21)年までの膨大な記録で、近現代の動向が記された貴重な地域資料です。
日記には1910(明治43)年のハレー彗星接近のことや1946(昭和21)年の南海地震についても記録されています。
南海地震は和歌山県南方の熊野灘を震源とするM8,1の巨大地震で大きな被害をもたらしました。愛媛県では震度4~5が観測され、死者26名、家屋全壊533戸の被害を生じています。
「生活の質の向上」コーナー
人々はより良い住まいを求めたり、負担軽減のための創意工夫をすることで、生活の質を向上させてきました。
生活の質を向上させるための、暮らしの道具の変遷を展示していました。
アイロンの変化
電気アイロン、炭火アイロン、火のし
炊事道具
かまど、飯ひつ、電気コンロなどの炊事用具です。
洗濯道具
洗濯用たらい、手回し洗濯機、二層式電気洗濯機などです。
暖房具
火鉢、置こたつ、練炭火鉢です。我が家では、練炭火鉢でお餅やするめを焼いて食べていました。
冷蔵庫
氷冷蔵庫は上段に氷を入れておき、その冷気で下段を冷やす仕組みです。
おわりに
地元遺跡からの出土品や災害の記憶を記した資料など、地域にとって大事な展示がなされており、地元地域を大切にしている展示であることがよく分かります。
また、人々の暮らしに係る変遷を分かりやすく実物資料で展示・説明していて、現代とはかなり違った暮らしの道具に子ども達も興味をもってくれるのではないでしょうか。
昭和30年代に田舎で生まれた私にとっては、子供の頃に、実際に使っていた生活道具がいくつもあり、その時代を懐かしく思い出すことができました。