さぬき市雨滝自然科学館とは
雨滝自然科学館は、標高253mの雨滝山(あめたきやま)中腹にあります。
この地で、世界最古のナマズ科化石が発見されました。
小学校の先生でもあった森繫先生が、子どもたちが地層観察するのに適した化石が見つかるような場所はないかと探していたところ、1985(昭和60)年に、これまで見たことのない種類の魚の化石を発見しました。
さっそく国立科学博物館の専門の先生に調べてもらいましたが、当時はナマズだと分からなかったようで、10年ほど後に、改めて調査した結果、世界最古のナマズ科化石であることが認定され学会で発表されたそうです。
2001(平成13)年、当時の大川町が発掘現場の向かいに雨滝自然科学館を建て、2007(平成19)年には、ナマズ化石を発見し「ナマズ博士」と呼ばれていた森繁先生が館長となっています。
館内案内
1階と2階に展示室があり、1階は地元の津田湾に生息する魚や世界の珍しいナマズがたくさん飼育展示されています。また、学習室では親子教室が行われており、様々な体験学習ができます。
2階はさまざまな化石標本や珍しい鉱物が所狭しと展示されていました。
1階の展示
1階には、瀬戸内海の魚や世界の珍しいナマズが飼育展示されています。
津田湾の魚類
雨滝山の近くにある津田湾に生息している魚たちで、津田漁協から提供されたものです。
生きてる化石
生きている化石といわれているウニやナマコが飼育展示されていました。
世界のナマズ
2階へ
2階の展示
2階には、たくさんの化石や鉱物が展示されていて、ここに世界最古のナマズ科化石の写真もありました。
世界最古のナマズ科化石
化石展示
イグアノドン類の足跡化石
鯨の化石
植物化石
地元で発掘された植物化石です。
発光鉱物
ライトを当てると、キラキラと光り輝く鉱物でした。
サヌカイト
サヌカイトは、約1300万年前の瀬戸内海地域の火山活動によってできた安山岩の一種と考えられています。
たたくとカンカンと透き通った金属音がする硬い岩石で、縄文・弥生時代には矢じりや石刀といった石器の材料として使われていたようです。
きれいな音がするので石琴といった楽器にもなっています。
香川県を中心として一部地域にしか産出しないので、讃岐にちなんでサヌカイトと命名されたようです。
たくさんのサヌカイトが展示されており、実際にたたいて音を楽しむことができます。
おわりに
化石や鉱物に関する親子体験教室や小中高校生の校外学習の場としても利用されています。
地元地域の成り立ちを何千年何万年の昔をさかのぼって体験的に学ぶことができる貴重な場所だと思いました。
意外と身近に貴重なものがたくさんあることを教えてくれる施設です。