はじめに
牧野富太郎博士が生まれた地にある、博士ゆかりの牧野公園へ春4月に行ってきました。
ソメイヨシノをはじめとして、早咲きや遅咲きの桜など、さまざまな種類の桜が植えられているので、2月から4月にかけて楽しむことができます。
牧野公園
牧野公園は、1902(明治35)年に牧野富太郎博士が「ソメイヨシノ」を佐川町に送ったことから始まりました。
大正から昭和初期にかけて町民の手によってソメイヨシノの苗木が植えられ大勢の花見客で賑わいました。
太平洋戦争により荒廃してしまいますが、戦後、再び地元の人々の取組によって桜が復活します。
それまで「奥の土居」と呼ばれていた土地を佐川町が購入し、1958(昭和33)年に「牧野公園」と名付けられ、牧野博士の分骨が埋葬されました。
1990(平成2)年には日本のさくら名所100選にも選ばれています。
2014(平成26)年より新たに「みんなで育てる牧野公園」をコンセプトとしたリニューアル事業に取り組んでいるということです。
公園散策
花見棟
遊歩道
公園から見る街並み
牧野富太郎博士のお墓
バイカオウレン
お墓のすぐそばには、博士がこよなく愛した植物の「バイカオウレン」が密集していました。
バイカオウレンは、日本固有の野草で博士の故郷である佐川町には自然の群生地があります。
1月末ごろから白くて金平糖のような花を咲かせるそうです。
植物の名札
公園では、さまざまな植物が地元の保存会によって大切に育て守られています。
一つ一つの植物には名札が添えられ、見る人に名前を教えてくれています。
高知県初の私設図書館「佐川町立青山文庫」
公園の麓に青山文庫(せいざんぶんこ)があります。
1910(明治43)年、佐川郵便局長であった川田豊太郎が高知県初の私設図書館「川田文庫」を創設したことにはじまります。
佐川出身で維新の志士であった田中光顕が、自身の蔵書と運営基金を寄附したことで、1925(大正14)年に、川田文庫を発展させて青山文庫となります。
田中光顕は、陸援隊隊長の中岡慎太郎と共に活躍した人物で、維新後は宮内大臣を勤めるとともに、志士の顕彰や子孫の救済にも尽力した人物です。
1963(昭和38)年、場所を現在の地に移しました。
青山文庫にある庭園「九如園」
江戸時代に佐川は深尾家によって支配されていました。家臣であった土方氏が現在の青山文庫の地に屋敷を構えており、「九如園」は当時のまま残された庭園です。
おわりに
牧野公園は、牧野富太郎博士が生まれ育ったすぐ側の山肌にあります。
四季折々に様々な種類の植物が花を咲かせ、一年を通じて訪れる人を楽しませてくれます。
牧野博士の縁によって、地元地域の方々が守り育ててきた素晴らしい公園を堪能することができました。