2023(令和5)年9月19日、萩の花が満開の時に再訪しました。
はじめに
萩原寺(はぎわらじ)は、その名の通り萩の名所で、萩寺ともいわれています。
約2500株の赤や白の可憐な萩の花が咲き誇る境内で、毎年9月には、「萩まつり」がにぎやかに開催されています。
寺名を刻んだ巨石の側に、萩の花が咲いていました。
別格二十霊場「十六番札所萩原寺」
別格二十霊場とは、弘法大師空海が四国霊場八十八カ所以外に、番外霊場として足跡を残している二十ヶ寺が集まって創設されたものです。
八十八カ所に別格霊場を加えると百八になり「百八煩悩消滅のお大師様の道」として、1968(昭和43)年に別格霊場が開設されました。
萩原寺は別格二十霊場の十六番目の札所として、人々の厚い信仰を集めています。
境内
仁王門
仁王門から鐘楼への階段
本堂
本尊は空海作といわれる伽羅陀山火伏地蔵菩薩です。
本堂の前には、向かって右に紅、左に白の萩が植えられています。
赤い萩の花がきれいに咲き誇っていました。
本堂前の白い萩の花が見事です。
大師堂
泰平大黒天
大師堂の手前にありました。
弁財天
大門
南側の大門をくぐると、立派な歴史のある茅葺き屋根の客殿があります。
客殿
お茶処「萩庵(しゅうあん)」
お土産物なども置いてありました。納経もできるようです。
縁起
寺伝によると、平安時代初期に空海は雲辺寺の山頂と麓に寺を建立し、山頂の雲辺寺には千手観音、麓の萩原寺には地蔵菩薩を安置しました。
このため、萩原寺は前寺、雲辺寺は奥の院といわれるようになり、萩原寺は雲辺寺の前札所とされています。
10世紀初めに醍醐天皇の勅旨談義所となり、朱雀天皇は讃州四箇談義所(他は、香西寺・無量寿院・極楽寺)の一つとされました。談義所というのは、仏教の学問所といったものです。
室町時代中期には幕府の管領である細川勝元の祈願所となっています。
15世紀末頃の記録によると多くの末寺を従える大寺であったとされています。
また、寺には国の重要文化財に指定されている空海の真筆とされる墨書があります。
「世界一観」石碑
境内には、世界平和を誓願する石碑がありました。
おわりに
萩の季節には多くの参拝者が花を愛でようと、お寺に詣でています。
お寺も花も手入れが良く行き届いていて、静かな境内を散策しながら、ゆったりとした時間を過ごすことができました。
追記
名物の「萩だんご」を買って帰り、美味しくいただきました。まさに「花より団子」といった、萩原寺への参拝でした。
萩原寺のある観音寺市には、「おいり」という郷土のお菓子もありました。
花嫁さんが婚家に嫁いだ時に、持参していくそうです。
色とりどりの小さくて丸くて柔らかな、口に入れるとふわっと溶けてなくなってしまう甘いコメ菓子です。
ソフトクリームにかけるとインスタ映えすると人気なようです。
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