はじめに
駐車場で車を降りると、竜宮城の入り口のような山門とビジネスホテル風の宿坊が並んで目に飛び込んできます。
6番札所安楽寺にも温泉付き宿坊「弘法の湯」がありましたが、
1番札所の霊山寺から巡って、
ちょうど夜のお泊りになるような場所になっているのだと思います。
今は、コロナの影響で宿泊も少なくなってしまっているようですが、
1日も早くもとどおりに、お遍路さんたちが疲れた足を休められるようになって欲しいものです。
境内
水子地藏、愛染明王堂、本堂、大師堂、治眼地蔵、傘みくじ、不動明王、修行大師
水子地藏
山門をくぐると、おそろいで赤いよだれ掛けをしているお地蔵さまが集まっています。生まれ変わって来た時には、何事もなく無事に生まれて欲しいという祈願からの供養がなされています。
中門(遍照殿愛染明王堂)
2階が愛染明王さまをお祀りするお堂になっています。
縁結びは左の入り口から入りますが、縁切りの場合は右側から入っていきます。
よく確認してから入って行かないと大変なことになりますね。
愛染明王は、煩悩を悟りに変えて導いてくれる愛にあふれた仏様です。
愛と慈悲が全身からあふれ出ているので体が赤くなっています。
「藍に染める」にも通じるので、染物屋さんやアパレル関係者の篤い信仰を受けているそうです。
愛に染めて頂くということから、良縁を結んでいただける仏様であるとされています。
本堂
本尊は秘仏の阿弥陀如来さまです。
大師堂
治眼疾目救歳地蔵尊
昔々、親孝行な息子が目の見えない母親と共にお遍路をしていました。
十楽寺に立ち寄り大師堂にあった石に祈願したところ、不思議なことに母親の目が見えるようになったといわれています。
古くから眼の病や失明した人たちの治療に霊験があるとされているそうです。
花開く傘みくじ
ミニチュアの傘の形をしたおみくじが木に掛けられていました。
不動明王石像
高さ2mはあろうかという程のビッグな不動明王像です。
太平洋戦争時の第13期海軍飛行予備学生の慰霊のために建立されたものです。
修行大師と桜
3月初めですが、境内では桜の花が満開でした。
縁起
9世紀の初め、空海がこの地を訪れた時に仏縁を感得して楠木に阿弥陀如来さまを刻んで本尊としたことに始まるといわれています。
四苦八苦の苦しみを離れ、極楽浄土で十の光明を得られるように寺の名を付けられました。
はじめは、現在地より3km離れた十楽寺谷に建立され、広大な伽藍を有していましたが、1582年に長曾我部軍による兵火で焼失してしまいました。
江戸時代の1635年に現在地に再建されています。
おわりに
本尊の阿弥陀如来さまにこの世の四苦八苦の軽減と心の平安をお願いしました。
おまけに、真っ赤な愛染明王さまにはいろんな良縁をお願いし、老眼になっている目の健康までも祈願しました。
あれもこれも、お願いばかりで仏様もあきれていることと思います。