はじめに
高松市立玉藻公園(高松城跡)のすぐ隣に、香川県立ミュージアムがあります。
歴史博物館と美術館の機能を合わせ持ち、展示や普及活動・調査研究などを通じて、香川の文化拠点としての役割を担っているところです。
施設
1999(平成11)年に「香川県歴史博物館」として開館し、2008年に香川県立の博物館の再編によって「香川県立ミュージアム」と改称されました。
近代的なビルの中にあり、地下1階「講堂・研修室」、1階「ロビー」「ショップ」「カフェ」「図書コーナー」「体験学習室」、2階「常設展示室」「特別展示室」、3階「歴史展示室」となっています。
1階 陶板タイル「衆鱗図(しゅうりんず)」
「衆鱗図」は、江戸時代後期に高松藩5代目松平頼恭(よりたか)の命による魚類図鑑で、県の有形文化財となっています。
展示されているのは陶板タイルによる複製で、ここまで細かく描くかと思う程、ち密で繊細に実物のタイやアジが描かれていました。
公益財団法人松平公益会によって寄贈されたものです。
3階「歴史展示室」
原始・古代から現代まで、香川県の歴史について詳しく、史資料やパネルを使って分かりやすく展示されていました。
原始時代のジオラマ
石器時代のナウマンゾウやヘラジカの狩りをする様子が、精巧なジオラマで再現されていました。
縄文時代の森と竪穴住居
縄文時代の森がと縄文人が暮らした竪穴住居が復元されています。
住居の中は思った以上に広々としていました。
弥生時代の銅鐸
弥生時代の土器や銅鐸(どうたく)が展示されています。
東京国立博物館にある江戸時代中期に香川県で発見されたといわれる国宝となっている銅鐸のレプリカがありました。
古墳時代
古墳時代中期、全長60mの前方後円墳から出土した香川県で最古の陶棺です。
全長2,08m、幅0,65m、高さ0,77mのかなり大きなものでした。
白峯寺十三重塔レプリカ
白峯寺には重要文化財に指定されている十三重塔(東塔と西塔)があります。
展示されている東塔は、1278年、鎌倉時代の後期に建立されたものです。
白峯寺は四国八十八ヶ所の81番札所です。詳しくはこちらをご覧ください。↓↓↓
戦国時代
香川県には山城跡が400カ所もあるそうです。
四国古図
江戸時代初期のもので、四国を描いた現存最古の絵図です。
サトウキビのしぼり小屋
讃岐国では讃岐三白といって砂糖・塩・綿の生産が盛んでした。
この内、高松藩では和三盆といって、サトウキビから作る砂糖の生産が盛んに行われています。
サトウキビをしぼる砂糖車を牛が動かしている小屋の模型です。
平賀源内
江戸時代の多才な人物である平賀源内は志度の出身です。
平賀源内について、詳しくは、こちらをご覧ください。↓↓↓
香川県の成立
江戸時代に讃岐国には、高松藩、丸亀藩、多度津藩の3藩がありました。
1871(明治4年)の廃藩置県で高松藩は高松県、丸亀藩は丸亀県、多度津藩は倉敷県から丸亀県へと移されました。
そして高松県と丸亀県が合併されて香川県となります。
1873(明治6)年、香川県は名東県(後の徳島県)に編入されてしまいます。
1875(明治8)年、名東県から分離され、香川県として独立しました。
1876(明治9)年、香川県は愛媛県に編入されてしまいます。
1888(明治21)年、愛媛県から分離され、再び香川県として復活し、現在に至ることになりました。
復原された戦後の住宅
昭和29年高松市内に建てられた県営住宅のお茶の間が再現されています。
おわりに
3階の歴史展示室だけでなく2階の美術展示も素晴らしいものでした。
1階では子供たちがコマやカルタで遊ぶことのできる所もあります。
ゆっくりとコーヒーを楽しむカフェもあり、大人も子供も一日過ごせる場所でした。