はじめに
吉野川から分水されている香川用水が、阿讃トンネルを通って最初に水面を見せる東西分水工の周辺に6haもの広さで整備された県立公園です。
さまざまな樹木が植えられており、四季折々に咲く花を楽しむことができる公園となっています。
香川用水記念公園
季節の花
梅の花
2月21日に、梅の花を見に行ってきました。
少し肌寒い天気でしたが、ほぼ満開の梅の花を見ることができました。
藤の花
4月20日に訪れた時には、藤の花が咲き誇っていました。
案内図
広大な敷地には「催しの広場」「水口の広場」「花見の広場」「芝生の広場」と名付けられた広場があります。
遠足で来ていた、子どもたちの歓声が聞こえていました。
東西分水工
徳島県三好市池田町にある「池田ダム」から、全長8Kmもの「阿讃導水トンネル」を通って香川県側に姿を現した用水を見ることができます。
親水公園
「せせらぎの川」「じゃぶじゃぶ池」で、子供たちが自由に水と遊び、水と親しむことができます。
夏の暑い時期には気持ちがいいでしょうね。
水の資料館
水の資料館では、香川用水の歴史とその恩恵を多くの人々に伝えるための資料を収蔵・展示公開しています。
1F エントランスホール
水の力で浮かび上がる「グラニットボール」の上には、巨大な「昇り竜」と「降り竜」が見えます。
雨乞いゆかりの竜のモニュメントです。
このような藁で作った巨大な竜は、三豊市仁尾町で毎年8月に開催される「仁尾竜まつり」で使われています。
200年以上前、干ばつに苦しんだ仁尾の人々が雨乞いのために始めたお祀りだといわれています。
昭和になって一時途絶えていましたが、1988(昭和63)年の瀬戸大橋博覧会への出場を機に「仁尾竜まつり」として再開されました。
全長35m・重さ3tの青竹と稲わらで作られた雨乞い竜が「そーれ水あぶせ、竜に水あぶせ」の掛け声のもと、観衆より勢いよく水がかけられながら練り歩くお祭りです。
2F 常設展示室
3F 水の体験コーナー
アルキメデスのポンプ・水車のエネルギー等、遊びの要素を取り入れた体験型の装置があります。
資料館からの展望
香川用水とは
温暖な気候と平野に恵まれた讃岐国は、古くから農業の盛んな地です。しかし降水量が少なく、水量の豊富な川がないために日照りが続くと、すぐに干ばつに悩まされてきました。このため寺社での雨乞い祈祷や雨乞い踊りが繰り返されてきました。
農業用水を確保するために、1万4千ものため池が存在しているのも先人の労苦のたまものです。
水不足を解消するための切り札として、吉野川からの導水が計画されました。
香川用水の水源は早明浦ダムで、池田ダムによって堰き止められ、ここから8Kmの「阿讃導水トンネル」を経て東西分水工へ到着します。
1974(昭和49)年に香川用水として完成しました。以来、香川県での水不足が抜本的に解消されています。
水車
おわりに
自然豊かな環境の中で、多くの花々を四季折々に愛でることができる公園です。
子供たちが水と触れ合い、水の大切さを学ぶことのできる場所でもあります。
香川県にとって香川用水がいかに大切なものであったかを再確認できる公園でした。