定年後の生活ブログ

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「にっかり青江」のある丸亀市立資料館

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はじめに

香川県にある丸亀市立資料館は、丸亀城の城郭内の西に位置していて、そこからは天守を見上げることができます。

丸亀市の歴史や民俗資料を収集し展示紹介する資料館として1972年に開館しました。

この資料館に、「にっかり青江」という妖しい伝説のある日本刀が所蔵されています。

人力車で丸亀城近辺を周遊することもできます。

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「にっかり青江」とは

南北朝時代に備中(岡山県)の青江貞次によって作られた刀とされています。青江貞次の青江派は平安時代末期から南北朝時代にかけて活躍した刀工集団です。

「にっかり青江」の由来は、ある武士が夜道を歩いていたときに、にっかりと笑っていた女の幽霊を切り捨てたところ、明るくなって確認をしたら石塔が真っ二つに切り裂かれていたという伝説によっています。

やがて「にっかり青江」は柴田勝家が所有し、子どもの勝敏に譲られますが、柴田家が滅ぼされた後には豊臣秀吉の手に渡ります。

さらに秀吉から秀頼に伝えられましたが、大坂冬の陣(1614年)で徳川方との和睦に尽力した京極忠高に授けられました。

以後、讃岐丸亀藩主である京極家に代々受け継がれてきました。

1940(昭和15)年に、重要美術品に認定されましたが、一時、京極家の手を離れます。

1997(平成9)年に丸亀市が購入しましたが、6800万円という金額を巡って議論があったようです。

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刀剣男子

「にっかり青江」が注目されるようになったのは2015(平成27)年に『刀剣乱舞』(とうけんらんぶ)というPC版ブラウザゲームが登場したことによります。

このゲームは日本刀の名刀を擬人化した「刀剣男士」が敵を倒していく刀剣育成シミュレーションゲームです。

ミュージカル化、アニメ化、実写映画化されるなどして、大いに人気を博しています。

ゲームに「にっかり青江」が登場したことで、実物にも関心が寄せられ、多くのファンが見学に訪れるようになったようです。

2015年、べっこ先生描き下ろしサイン入りイラストの「刀剣男子にっかり青江」がありました。

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「にっかり青江」キャラクターと一緒に写真撮影もできます。

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常設展

丸亀市の歴史と民俗資料も保存展示され、公開されています。

生駒・山崎・京極

丸亀を中心とした地域は、16世紀末からの江戸時代に生駒氏、山崎氏、京極氏が支配していました。

生駒氏(1587~1640)

豊臣秀吉の家臣として活躍した生駒親正が領主になりましたが、お家騒動のため3代で改易となってしまいました。

生駒親正像

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山崎氏(1641~1657)

生駒氏の改易の後、幕府は讃岐を東讃と西讃に分けて、西讃の丸亀藩を山崎氏に治めさせました。

3代目が8歳で没したため後継ぎがなく、改易となってしまいます。

3代目治頼

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京極氏(1658~1869)

山崎氏改易の後、播磨国龍野より京極氏が移ってきました。以来、200年余り丸亀藩を統治し、明治に至っています。

初代京極高和(たかかず)

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郷土玩具

古くから作られている、その地域に根差したおもちゃが全国からあつめられて展示されています。

讃岐高松の張子の虎がありました。

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石造物

郷土の歴史を物語る大切な資料として、開発によって行き場を失った石造物を保管しています。

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民俗資料

近世、江戸時代以来の民衆が使用していた道具類を民俗資料として展示・保存しています。

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おわりに

展示会では「にっかり青江」だけでなく、他にもたくさんの名刀や刀に関する工芸品がたくさん公開されていました。

刀剣愛好家だけでなく、若い女性の方もたくさん来場していて熱心に見学していました。

改めて「刀剣男子」の影響力の大きさを感じました。

「にっかり青江」を購入した時は、その金額を巡って議論があったようですが、今となっては、購入したことで大きな経済波及効果があり、丸亀市にとっても恩恵を受けているのではないでしょうか。

やはり、一流の文化財の持つ力は大きいと思いました。