はじめに
あちこちに史跡が残っている、歴史のある大洲市は史跡を大切に保存しています。
大洲城三の丸南隅櫓公園(愛称はお殿様公園)には、国指定重要文化財の三の丸南隅櫓と国登録有形文化財の旧加藤家住宅主屋の2つの歴史的建築物が残されています。
公園からは大洲城がきれいに見渡せます。
また、大洲市立博物館へも行ってきました。
お殿様公園
大洲城三の丸南隅櫓
1957(昭和32)年に国の重要文化財に指定された櫓です。
大洲城三の丸の外堀に面して建てられていました。
櫓は火事で焼失しましたが、1766年に再建されます。当時は財政難で、費用を切り詰めて建築したそうです。
かつて、櫓の下は堀になっていたのですが、今は学校の運動場になっています。
旧加藤家住宅主屋
旧大洲藩主であった加藤家が1925(大正14)年に建築した住宅です。
木造2階建の寄棟造で、2階がガラス障子になっており、モダンで西洋風の大洲を代表する近代和風建築です。
建物は、歴史的資源を活用した「観光まちづくり」を目指す(株)バリューマネジメントが運営しているNIPPONIA HOTEL大洲城下町として一階の一部と二階が使用されています。
風情のある歴史的建造物で宿泊すると、素敵な一日を過ごすことができるでしょうね。
ノーベル物理学賞受賞中村修二博士顕彰碑
ノーベル賞受賞者である中村修二氏は、現在の愛媛県伊方町で生まれ、小学校2年生の時に大洲市に転居し、この地で小学校・中学校・高等学校を過ごしています。
高校を卒業してから徳島大学工学部に進学し、同大学院修了を経て、徳島にあった日亜化学工業に就職しています。
会社において刻苦勉励を重ねた結果、世界に先駆けて実用的な青色発光ダイオードを開発し、その発明によって2014年のノーベル物理学賞を受賞しました。
郷土の出身者がノーベル賞受賞という偉業を成し遂げたことに対して、顕彰碑が設立されています。
顕彰碑の目の前には、中村さんの出身校である愛媛県立大洲高等学校がありました。
大洲市立博物館
大洲地方の歴史・芸術・民俗・産業・自然科学といった分野の資料が展示されている大洲市立博物館は、社会教育センターの4階(歴史関係展示)と5階(自然科学関係展示)にありました。
歴史的な遺物だけでなく、自然科学の展示物も充実していて興味深く参観することができました。
入口の看板
4F歴史展示室
大洲城天守の木組み模型
この模型があったことで天守を復元することができたという、重要な資料の一つです。
五稜郭模型
函館にある五稜郭を設計したのが、大洲藩の蘭学者であった武田斐三郎であったことから、模型が展示されていました。
5F自然科学の展示
おわりに
先日、四国中央市(旧新宮村)出身の真鍋淑郎さんがノーベル物理学賞を受賞なさいました。
愛媛県ゆかりの受賞者は、文学賞の大江健三郎さん、物理学賞の中村修二さんと合わせて3人となっています。
素晴らしい証を受賞している中村さんは大洲市で育っており、まさに大洲市の誇りといえるのではないでしょうか。
周囲を山に囲まれた静かな街ですが、歴史や伝統といった素晴らしい文化に育まれていたからこそ、このような素晴らしい人物が出現したのだと思いました。
追記「火縄式鉄砲」
博物館に火縄銃を分解したものが、展示されていました。
分解されたものを見るのは初めてだったのですが、細かな部品がたくさんあり、江戸時代における金属加工の高い技術に感心させられました。
「鍛冶師 大洲住 安達伴兵衛重紀 江戸末期作」