はじめに
四国と淡路島を結ぶのが大鳴門橋は、1985年(昭和60)年に開通しました。元々、新幹線を開通させる予定があったので、道路と鉄道の併用橋として建設されたのですが、新幹線計画は中止され、道路のみの橋となっています。
このような経過があったため、大鳴門橋は道路の下に新幹線を敷設できる構造になっています。
現実には鉄道は通ってないので、その空間は観光資源として利用されることになり、観光施設としての「渦の道」ができました。
大鳴門橋と鳴門海峡
徳島県鳴門から淡路島方面へ
渦の道
新幹線が通るはずだった大鳴門橋の車道の下に、海上遊歩道として設置されたのが「渦の道」です。
入り口へ
遊歩道
入口から約450m先の展望室まで、潮風に吹かれながら海上散歩ができます。
展望室
展望室にはガラス張りの床があり、45m下の海面をのぞき込むことができます。
時間が合えば、鳴門の渦潮を見ることができます。
徳島県立大鳴門架橋記念館(通称エディ)
大鳴門橋が架橋されたことを記念して、架橋の意義を後世に伝えると共に、徳島県の文化や自然を広く知ってもらうための施設として開館しました。
屋上の展望台からは鳴門海峡や大鳴門橋が一望できます。
入り口
うずの詩
多くの詩作家が、鳴門の渦潮を見て歌を残しています。
右が正岡子規
「渡りかけて鷹舞う阿波の鳴門かな」
左が与謝野晶子
「疑わず今大海はかたむけり鳴門のしほを越す船を見よ」
展示室
おわりに
新幹線が通る予定であった橋の道路下を、上手く活用した観光施設となっています。
かつては本気で新幹線を通すつもりであったようですが、四国はいまだに新幹線はありません。新幹線を四国までという活動は行っているのですが、残念ながら四国の人口が減少していることを考えてみても、将来的に新幹線が現実のものとなる日が来るかどうか分かりません。
「渦の道」から45m下の海面を覗くと足がすくんでしまって、見ていられませんでしたが、海面には渦が巻いていて潮の流れが速いことがわかります。巨大な船も潮の流れに逆らってゆっくりと進んでいました。
このような厳しい自然条件の中で橋を建設することは、困難を極めたのではないでしょうか。お陰で素晴らしい眺めと、交通の便が格段に良くなったことを考えると、橋を建設した関係者に改めて敬意を表したいと思いました。
追記:「ムヤくん」
ケーブルテレビ局「テレビ鳴門」のマスコットキャラクターを勤めている猫です。
好きな食べ物はいも煮だそうです。大鳴門架橋記念館にありました。