はじめに
田んぼが広がっている田園地帯にあって、こんもりと木々が茂っている景観の中にあるのが9番札所の法輪寺でした。
地名が「田中」なので「田中の法輪さん」と呼ばれて親しまれています。
境内
山門、ミニ七福神、本堂、延命地蔵、大師堂、庭
山門
2階には鐘があり、1階には仁王様が立っていて、鐘楼と仁王門が合体したものでした。
山門を入って振り返ると、かわいいお地蔵さまが置かれていました。
ミニ七福神の石像
山門の隣にはかわいらしい七福神のミニ石像が、並べて置かれていました。
本堂
本尊は75cmほどの釈迦涅槃如来像です。
過去に何度も災厄に見舞われていますが奇跡的に難を逃れられてきました。
5年に1度、御開帳されるそうで、次回は2025年の予定です。
足腰お願いわらじ
健脚祈願のお寺として知られています。
昔、松葉杖で参拝に来た巡礼者が、杖なしで歩けるようになったということです。
お堂には、足腰の丈夫を祈願するミニわらじがたくさん奉納されていました。
天女像
お参りした後にお堂の上を見上げると、天女様がいらっしゃいました。
延命地蔵
子どもを守ったり寿命を延ばしたりするお地蔵さまです。
大師堂
納経堂前の庭
縁起
空海がこの地を訪れた時に白ヘビを見ました。
白ヘビは仏様のお使いであるといわれていることから、釈迦涅槃如来像を彫って本尊にしたというのが創建の由来です。
現在ある場所とは違い、4kmほど北に離れた「法地ヶ渓」に壮大な伽藍があったといわれています。
1582年に長曾我部軍の兵火によって焼失してしまったため、現在の地に移されて再興されました。
1859年にも失火によって再び焼失してしまいますが、明治時代になって現在のような形で再建されています。
おわりに
こぢんまりとした規模でそれほど広くはありませんが、見どころがたくさんあって人々の篤い信仰を受けているようです。
険しい山中のお寺とは違って、コンパクトにまとまっていて参拝しやすいのでお遍路さんには一息つけるお寺です。
何度も危機的な存続の危機を乗り越えて現在に至っているのは、地元の人たちのお寺への思いが深かったためだと思いました。