ホタルの季節が巡ってきました。
毎年、田植えの時期になると、ホタルの話題があちこちから聞こえてきます。
ホタルの思い出
子供の頃(半世紀前のことです)には、たくさんホタルがいたように思います。
夏になると蚊帳の中にホタルを放して眺めながら、親子そろって一緒に寝ていました。グァー、グァーというカエルの鳴き声もうるさいぐらいでした。
今、思い返すと映画のシーンに出てくるような幻想的な情景です。
暑い夏の夜に蚊帳の中でホタルを見ながら眠りにつく、などということは何とロマンティックなことでしょう。
遠い昔の懐かしい思い出です。
蚊帳の中 ホタル放ちて 遊びおり
実家の近所ではホタルを見ることも無くなっていたのですが、横の水路を探検したところカワニナが10匹ほどいました。
昔の用水路は土を掘って作っていましたので、生息する場所がたくさんあったようです。
コンクリートで用水路を固めると、生息する場所が少なくなるので、必然的にカワニナも少なくなりました。
新しいコンクリートの用水路も、長年の使用で経年劣化し、あちこちが凸凹してきます。
そんな場所でも生きながらえて生息してきているようです。
カワニナはホタルの幼虫のえさになるので、ホタルがいたのも少しは納得できます。
カワニナは水が汚れているところでは見られません。
以前より、水も少しはきれいになったということでしょうか。
父の庭造り
亡父は庭造りが好きで、あちこちに岩や木を取りに行き、自分で設置して楽しんでいました。
父の造った水琴窟
水琴窟まで作っています。
庭を造ることはとても好きで張り切ってしていたのですが、植木の手入れなどの管理は母親任せでした。
造園の過程は大好きでしたが、完成してから後のことにはあまり関心が向かなかったようです。
木は成長して枝が伸びるし、葉っぱが落ちます。きちんと手入れするのは、片手間では出来ない作業です。
それに、たくさんの種類の木があるので、年中、手入れを続けなければなりません。
母親はぶつぶつ言いながらも手入れをしていました。
岩松(イワヒバ)
岩を置いて木を植えると、その間を苔で埋めていきます。
父は山から苔も取ってきて、これがいいと植えていました。
岩松という苔で、植えてもなかなか定着しない珍しいものだと自慢していましたが、どうやらイワヒバという種類の苔のようです。
イワヒバは岩場に生育し、枝葉が桧に似ているので別名、岩松とも言われているそうです。
そのイワヒバが年月を経て、庭のあちこちに広がって定着するようになりました。
イワヒバのホタル
姉がイワヒバの上にホタルがいるのを見つけて写真を撮りました。
写真を見ながら、もうホタルの季節なのかと思い、一句作ってみました。
岩松に 思い出誘う ほたるかな
おわりに
イワヒバのホタルを姉が写真に撮りました。
写真を見ながら、昔のことをあれやこれやと思い出し、思い出話に花が咲きました。
若い頃には全く関心のなかった父の庭ですが、こうして思い出話のきっかけになることを見越して、父はせっせと作庭していたのかもしれないと思う、この頃です。