ブドウ苗の植えつけ
親の残してくれたぶどう畑があります。かつてはたくさんのブドウ畑がありましたが、母親が60歳を過ぎたころから縮小し、家で食べるだけの分を栽培していました。
15年ほど前に、母が亡くなり世話をする者がいなくなって、そのまま荒れ果ててしまったままでした。
今でもこの地域はブドウ栽培が盛んで専業の方もおられます。ブドウには適した土地のようです。
そこで定年の2年前になって栽培してみようかと思い、姉と相談して畑を整備して5本のブドウの苗を植えました。今では姉が主力で私は手伝いといったところです。
幸いなことにコンクリートの柱や針金などの施設は十分に使用可能でした。
ブドウを栽培するときにはこうした施設が不可欠です。もし何もなくて1から整備するとなるとお金も手間もかなりかかってしまいます。
本格的に生産して出荷するわけではなく趣味程度なので、これだけの施設が残っていれば十分です。
何もなければブドウの苗を植えたりはしていなかったでしょう。
親が栽培していたといってもど素人なので、近所のおばさんや農協に聞いて教えてもらいながらスタートしました。
苗を植えたのは冬場の2月ごろでした。
1メートル四方の穴をスコップで掘り、燻炭(もみ殻をいぶして炭にしたものです)と消石灰をいれて苗を植えます。冬とはいえスコップで穴を掘るのは重労働で汗だくになりながらやっていました。
植えたのはピオーネという品種で甘くて黒い大きな粒になるブドウです。とにかく粒の大きなものを作りたいというのが希望です。
苗を植えた後に施設の補修をしました。
棚に張ってある緩んでしまった針金をピンと張り直しておく作業です。こうして粗方の修理をしながら苗の成長を待つことになりました。
ビニール張り
ブドウの枝の上に、丸い針金状のトンネルのようなもの(お椀のようなトンネルということで「わんこ」と言っています)を載せてあります。
これにビニールをかぶせる作業をしました。
こうしておくと病気にかかりにくくなり、おいしいブドウが出来ます。
ブドウは成長が早いので、早め早めに作業をしないと、次の作業が間に合わなくなってしまいます。
4月初ですが、もう芽が出てきました。
曇り空ですが、風がなかったので作業をするには適した日和です。端から端までビニールを引っ張り、これを「わんこ」の上に広げてひもや洗濯ばさみで固定します。
しっかり固定しておかないと風にあおられて破けたり飛んで行ってしまったりします。
秋の収穫まではビニールをかけておくので、特に台風の時にも持ちこたえられるようにしておかなければなりません。
ビニール張りが、おいしいブドウを栽培するための本格的な作業の始まりです。
鳥よけの網張り
ブドウ畑に鳥よけの網を張りました。
まだ芽が出ているかいないかのこの時期ですが、ブドウの成長は早くて、枝が伸びて葉っぱが茂りだすと網が引っ掛かって広げることができません。
春になり、これから様々な農作業が忙しくなってくることもあり、早めに畑全体に網を掛けました。といっても側面の周りは年中、網を張っているので、今回はブドウの上の部分を覆っていく作業です。
鳥が入ってくるのを防ぐ網なので網目が4㎝四方ぐらいあり、それを広げていきます。
あちこちで引っ掛かってとても広げにくく、一苦労しましたが何とか広げ終わりました。
これでブドウの実がなっても鳥に食べられる心配はありません。
丹精込めて栽培しても鳥に横取りされたのではたまったものではありません。鳥さんも命がかかっているとは思いますが、しかたありません。
親戚から藁を貰う
ブドウ畑に藁を敷き詰めます。
藁は昨年、親戚でもらってきたものを納屋に保管してありました。
ネズミが藁に残っているコメを食べて、かなりかじっています。ネズミを飼っていたようなものです。
本当は私の家でもコメを栽培しているので、自分の所の藁を使えばよいのですが、それが出来ません。
稲を刈りとるのはコンバインで行います。
コンバインを見たことがある方もいると思いますが、稲の刈り取りから脱穀までいっぺんにしてしまう戦車みたいな機械です。
コンバインは刈り取った稲から実を収穫して、いらなくなった藁は細かく砕いて、後ろから田んぼに撒くようになっているのです。
この藁をそのままの状態で、砕かずに集めておけばよいのですが、ウチのコンバインはそれが出来ません。
藁をまとめて束ねる機械(結束機といいます)をコンバインに取り付けると、この機械は20万円~30万円もします。コンバイン自体が中古で100万円ぐらいはしますので、そこまでの出費はちょっと難しいのです。
藁を残して置いていると、いろんな使い方が出来るので残しておきたいのですが、そういう事情で我が家には藁がありません。
親戚からもらってきた藁をブドウ畑に敷いていきます。
ブドウ畑に藁を敷き詰めた
畑の一面に敷き詰めます。こうすることで雑草が生えてくることを防ぎます。
本当にすぐに草が生えます。これからあったかくなってくると、その勢いはすさまじいものがあります。
農業は草との闘いです。草枯らしの薬剤を散布するのも一つの方法なのですが、それよりもはるかにいいと思います。
しかし、農薬を全く使用しないという訳にはいきません。あったかくなってくれば虫も細菌も植物も活動は当然に活発となります。
できるだけ減農薬で生産することが大切ということです。
保湿にも効果があります。
特に夏場は日差しがきつく乾燥し易いので藁を敷いていると過度な乾燥を防ぐことが出来ます。また、夏場に水を撒かなければならないのですが、その時に保水してくれます。
やがて藁は次第に細かくなり、よい肥料となって土へと帰っていきます。肥沃な土壌を形作る重要な役割を担ってくれます。
いいことづくめの藁なのですが、いかんせん手間がかかります。今の畑の面積であれば出来ることであり、これ以上の面積となるとそうもいきません。
今の規模でぼちぼちやっていきます。