はじめに
近所の池に写る中秋の名月です。
雲もなく煌々と輝いているお月様を見ていると、桂離宮へ行ったことを思い出しました。
桂離宮の書院にはお月見をするための月見台があります。古書院から池に突き出すように竹簀子で作られていました。
そこから満月のお月様を眺めれば、素晴らしく風情があり何とも優雅な雰囲気に浸れるだろうと思ったものです。
残念ながら昼間の見学だったのでお月様を見ることが出来ず、想像だけで終わってしまっています。
8月に訪問したので、夏の句を作ってみました。
「 蝉の声 桂離宮と 月見台 」
中秋の名月の夜に、月見台から見る景色はどんなでしょうか。
きっと、この世のものとも思えない幻想的なものでしょうね。
桂離宮とは
17世紀に八条宮の別邸として造営されました。
後陽成天皇の弟君である八条宮初代の智仁親王と2代智忠親王によって数十年、3期に渡って造営・整備されています。
1883(明治16)年宮内省所管となって「桂離宮」と称されます。
現在は宮内庁が管理運営を行っています。
参観申込
参観するには事前の申し込みが必要です。
①宮内庁HPからの申し込み(https://sankan.kunaicho.go.jp/guide/katsura.html)
②京都御所にある宮内庁京都事務所の参観窓口で直接、申し込み
③当日に現地で空きがある場合のみ、8:40から先着順に整理券が配布されて参観できます。
私は、事前申し込みが必要なことを知らなかったものですから、現地へ行ったものの入ることが出来ませんでした。
改めて、京都御所にある宮内庁の京都事務所で申し込みをしてから、参観をすることが出来ました。
桂離宮という素晴らしい文化財の景観を守るためには、これぐらいの手間がかかることはやむを得ないと思います。
建物と庭園
人工の自然景観を作り出すため、近くを流れる桂川から水を引き込み池を作り、築山を作っています。
建物から池や庭が見えるように、池の周囲に書院や茶室を配置している回遊式庭園となっています。
古書院、中書院、楽器の間、新御殿は連続して建てられ、この4つで書院群を形作っています。
入母屋造りで杮葺き(こけらぶき)の屋根、書院造を基礎にして数寄屋造りの箇所も見られます。
池では平安貴族のような優雅な舟遊びが出来るようになっており、点在する茶屋には船着き場が設けられています。
何処を見ても手入れが行き届いており、落ち着いた雰囲気の中にも洗練された美しさが凝縮されています。
まさに日本の伝統美を代表する建築と作庭の粋を集めた素晴らしい場所です。
ガイドの方に従って約1時間ほど見て回りました。
夏の時期でも素晴らしかったので、今度は紅葉の時期を見てみたいものです。
なお一層、趣のある景色を見ることが出来ると思います。