定年後の生活ブログ

定年後に行政書士となり、四国のことを発信しています

小豆島の福田地区と「福武ハウス」での瀬戸内芸術祭

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はじめに

小豆島の北東に位置する福田地区は、三方を山に囲まれていますが海に面しており、福田港と姫路港を結ぶフェリーが就航しています。

古くから農林業や漁業・石材業が営まれており、人と文化の交流点として発展してきた町です。

しかしながら、高齢化と過疎化が進み小学校も廃校になってしまいました。

2013(平成25)年、瀬戸内国際芸術祭をきっかけにして、福田地区を中心としてアジア諸地域をつなげる「福武ハウス」のプロジェクトが始まりました。

福武ハウスは、廃校となった旧福田小学校を活用し、地域の新たな文化交流の拠点として、アートや食、地域資源を活かした活動を展開しています。

旧福田小学校の「福武ハウス」

「福武ハウス」

玄関にある巨大壁画テント

アジア・ギャラリー展覧会

校舎の2階は「アジア・ギャラリー」で、日本やアジアの現代アート作品が公開されています。

アートを介してアジアの文化に触れることができます。

「時代の風景・時代の肖像+++」

潘逸舟《よりそう鳥籠》2022

ズルキフリ・マハムード「SONICreflection」2016年

パナパン・ヨドマニー「Aftermath」2016

「福田からのお手紙」展

地元の地域の方々から寄せられた、古い写真が展示されています。

この地域に住んでいる人々の姿を通して、過去から現在に続く地域の姿を考えながら、この先に続く未来へと思いを巡らせます。

芦田の森テラス

福武ハウスには、来場者と地域の方が交流するカフェとして、島の間伐材である檜を使用し、住民と共に制作したテラスがあります。

半屋外なので天気がよければ、心地よい風を感じながら寛ぐことができます。

地元産の海の幸・山の幸をふんだんに使った2種類のお弁当をテラスで頂くことができます。

食を通した地元とのコラボです。

福田の潮風弁当

小豆島産の鱧(はも)を酢飯の上にのせた弁当です。

福田の里山弁当

シイタケと干しエビのちまきをお上げで包んだ弁当です。

葺田パヴィリオン

旧小学校の隣には神社の境内へとつながる子供の遊び場として、カーブした2枚の鋼板によってつくられた瀬戸芸作品です。

2022年瀬戸内芸術祭≪夏公開≫

「アジア・アート・プラットフォーム協同展2022『Communal Spirits/共に在る力』」と題して、香港、インドネシア、台湾、カンボジア、タイの5つのパートナーたちと、「Spirits」というキーワードで協同展が開催されました。

福田地区の空家を使って、それぞれが作品展示を行っています。

サイトA:カンボジア

クヴァイ・サムナンは、大森林のあるアレン渓谷に住む先住民族チョン族出身です。

大規模な水力発電ダムの開発による環境破壊、その結果もたらされる先住民族の生活の変化を映像アートで表現しています。

サイトB:台湾

サマー・ファン&ツァイ・ジアインは、台湾の植物や自然環境から得たインスピレーションを布に描いています。

台湾から日本へのメッセージとして作り上げた作品は、祝福の気持ちを伝える作品です。

サイトC:インドネシア

アナン・サプトトが設立した、アートと農業をつなぐPanen Apa Hari Ini(PARI)が、インドネシアのジョグジャカルタ市と福田地区の食料の供給源や農業の実践を紹介しています。

サイトD:香港

香港アートスクールの講師と卒業生が、住んでいる地域の再発見を目的として、地元の土を採集して色を付けて制作したものを展示していました。

サイトE:タイ

祖父を亡くしたコラクリット・アルナーノンチャイと撮影監督アレックス・グヴォジックとの共同制作による作品が上映されていました。

喪失と悲しみの中にあっても前進する方法を模索する物語です。

おわりに

小豆島にある福田地区は空き家が目立つ、過疎の進んでいる地域です。

しかし、瀬戸内芸術祭を契機として、アートで世界とつながる活動に地域住民が一体となって取り組んでいる様子を見ることができました。

2022年は、コロナ禍ということもあり、来場する人の数も少なかったようですが、世界とつながっているアートの遺産は、確かな足跡を残したと思います。

追記:福武ハウスでは、廊下の壁にも、たのしいイラストが描かれていました。