はじめに
徳島市には四国三郎の異名がある吉野川、その吉野川を見下ろす眉山があります。
どこから見ても眉の形をしているので「眉山」と呼ばれている、高さ290mの山です。
山頂は眉山公園として整備されていて徳島市民の憩いの場所となっています。
山頂までは眉山ドライブウェイを通って車でも行けますが、一度はロープウェイでゆったりと空中散歩も良いのではないでしょうか。
眉山ロープウェイ
1957(昭和32)年に開業しているので、半世紀以上の歴史があります。
眉山の麓、阿波おどり会館5階にある眉山ロープウェイ山麓駅が乗り場となります。
15分間隔で運行されており、約6分で山頂に上がることができます。
赤や青のゴンドラは1999(平成11)年から使用されており、樽型の丸くてかわいい形の2両連結式のものです。
中は意外と広くて、1両あたり15人まで乗り込むことができます。阿波踊りイラストが楽しいですね。
ゴンドラからは徳島の街並みや緑豊かな眉山の自然を見ることができます。
山頂駅を降りて階段を上がった所に展望台があります。
階段には今、はやりの「鬼滅の刃」とコラボしたポスターなどが飾られていました。
山頂展望台
山頂からの展望は素晴らしく、眼下に徳島市街、吉野川、淡路島まで見通すことができます。
夜景も素晴らしいようです。
愛称「眉華鏡(まゆげきょう)」
高さが6mもあるLEDを使用した万華鏡のモニュメントです。
モニュメントの真下の穴から覗いて見ると、LEDの万華鏡が光り輝いていました。
「希望の鍵に願いを込めて」
愛を誓った恋人たちが南京錠をフェンスにかけています。フェンスの上には、第69代横綱 白鵬と徳島県出身の妻 紗代子さんの名前が刻まれていました。
眉山公園
山頂には眉山公園があります。
花のカスケード(四季折々の花が咲き誇る花壇)、お花見広場、野鳥観察広場、駐車場等が整備されています。
1989(平成元)年には徳島市制100周年を記念して姉妹都市のアメリカ・サギノー市よりガゼボ(西洋風あずまや)が贈られました。
公園の一角にはモラエスの像が建立されています。
モラエス
1854年、ポルトガルのリスボンに生まれ、海軍士官として海外に勤務します。
日本へは1889(明治22)年に初来日、のちに神戸で初代領事となり1913(大正2)年まで勤めました。
この間に福本ヨネと出会いましたが1912(大正1)年に逝去してしまいます。領事を辞した後、ヨネの出身地である徳島に移り住み、ポルトガルに日本を紹介する著述家として過ごします。
徳島ではヨネの姪である斎藤コハルと暮らしましたが、コハルにも先立たれてしまいます。
故郷のポルトガルから遠く離れた異国の地で、どんな思いで晩年を過ごしていたのでしょうか。
1929(昭和4)年、75歳でその生涯を閉じています。
眉山山頂の公園だけでなく、モラエスが過ごした街の小学校にも銅像がありました。
モラエスの住んでいた通りの道は「モラエス通り」と名付けられています。
地元の人々にとっては、忘れられない大切な人物として記憶されています。
おわりに
市街地のすぐそばにある緑豊かな眉山の山並みは、徳島市民にとっては心安らぐ忘れられない風景です。この光景をモラエスも愛したがゆえに、晩年、この地で過ごしたのだと思います。
かわいいロープウェイに乗車して、徳島の街や遠くの景色を眺めるのはとてもすがすがしい気分になり、とても良い経験ができました。