はじめに
あちこちの木々に花が咲きはじめ、春らしい季節になって心もうきうきしてきました。
梅の花も終わり、そろそろ桜の季節になり始めています。
姉は花が好きで、庭とか畑にいろいろな花を育ててきました。
季節に応じて、育てた花を生けて楽しんでいます。
3月初めには、畑で咲き始めた啓翁桜を飾っていました。
少し濃いめのピンクで春めいており、華やかな雰囲気になります。
啓翁桜は桜より早く咲き、花が小さめですが散りにくく、葉っぱが出てくるまで楽しむことができます。
わが家の啓翁桜
20年ぐらい前に、母親が畑に植えた啓翁桜があります。
高さが約4~5メートルあり、見た眼も華やかです。啓翁桜が咲き始めると春の訪れを感じます。
いつもなら3月20日ごろに咲き始めるのに、今年は例年よりも2週間ぐらい早く咲き始めました。
手前に1本ある啓翁桜は、種が落ちて芽が出ていたのを植え替えたもので、すでに1メートル位まで育ってきています。
毎年、花桃が咲いてから啓翁桜が咲くのに、今年は反対でびっくりしています。
先日、パラパラと啓翁桜の花が咲き始めたので、剪定もかねて枝を切りました。
木が大きいので、のこぎりで切るのも一苦労です。
直径5センチぐらいの木も倒しました。
啓翁桜の生け花
畑で咲かせたままにしておくのはもったいなくて、毎年この啓翁桜を使って花生けをしています。
花器やつぼに生けたり、仏壇やお墓に飾ったりもします。
せっせと花のついた枝を切り集めて家に持ち帰り、花生けをして楽しみました。
枝が沢山あっても先まで花がついているものは少ないので、よい枝を見つけるのに苦労します。
満開の花よりも、つぼみの花を生けるのがきれいでいいと思います。
だんだんと咲いてくる花を眺めるのは、楽しいものです。
見事に花が開き、満開になりました。
若いころからお花が好きで、先生について習っていましたが、途中でできなかった時期もあります。
退職したら十分習えると思っていましたが、先生が高齢になって教えてもらえなくなりました。
今は家の周りに咲いた花を花瓶や花器に生けて楽しんでいます。
たまに花を絵手紙にしたためて孫に送ったりもします。
花生けをするときは、1メートルぐらいに切った枝を一抱え取ってきます。
満開だと少しの時間しか楽しめないので、いつもつぼみの時期を選びます。
一枝一枝眺めながらその中から使えそうな枝を探し、枝の先に花がいっぱいついている枝を使います。
1年中ほったらかしなので、先が傷んでいるのが多くて、なかなかいい枝が見つかりません。
枝を曲げ、形を整えて生けますが、いつも満足する形ができず、何時間もにらめっこをしながら生けています。
今回も十分に生けられませんでしたが、『まあいいか…』いつもこんな感じです。
啓翁桜のフラワーアレンジ
啓翁桜には短い枝がたくさんついていて、集めるとたくさんになります。
捨てるのはもったいないのでオアシスにも挿して楽しみます。
オアシスというのは、フラワーアレンジメントで使う水を含んだ硬いスポンジのことです。
枝だけでは物足りないので、今、咲き誇っている椿を集めて入れてみました。
椿をあしらうと引き締まって賑やかになり、色とりどりになってきれいなのですが、椿の花はすぐに落ちてしまうのが残念です。
落ちたらまた新しい椿を入れて足していきます。
余った椿は、適当に剣山に刺して鉢に入れました。
いろいろな種類があり結構にぎやかになったと思います。椿の花を集めて生けるのもいいものです。
啓翁桜(けいおうざくら)とは?
昭和の初めごろに、種類の違う桜を接いで作り出されたものです。
作り出した福岡県久留米市、良永啓太郎氏の名前をとって啓太郎桜と名付けられ、その後に、啓翁桜などの名で広まったと言われています。
桜は通常なら3月下旬から4月上旬にかけて花が咲いています。
山形県では、秋の訪れが早いという気候条件と長年の研究によって、お正月に桜を楽しめるように促成栽培で花を咲かせており、日本一の出荷量を誇っているようです。
おわりに
桜にはいろんな種類がありますが、どの桜を見たとしても花の美しさだけではなく日本の風情を感じることが出来ます。
なぜか桜の花を見ると心が躍るんですね。
それは日本独特の季節感であったり、桜と共に歩んできた日本の歴史であったり、などなどをすべて含んでいるからではないでしょうか。
そのような桜を「いち早く見たい」という多くの方がいて、それに山形県の生産農家さんが促成栽培で答えているのも、桜が日本人にとって特別なものであることの証だと思います。
姉が花を飾ると一度に春が来た感じで、部屋が明るくなります。
桜の花は仏壇やお墓にも持っていって飾っています。
亡くなった母親が植えていた啓翁桜なので、多分喜んでくれていることでしょう。