はじめに
伊吹島は香川県の西端にあり、瀬戸内海の燧灘に浮かぶ周囲5,4㎞の台状の島です。
観音寺市から船に25分ほど乗ると、伊吹島の南側にある真浦港に着きます。
良質ないりこ(カタクチイワシの煮干し)の産地として有名な島です。
訪れた日は曇りがちでしたが、海も穏やかで、滑るように船が進み、さわやかな気分を味わうことができました。
伊吹島全景
観音寺港から伊吹島へ
乗船するのは「NEW IBUKI Ⅱ」です。
これから25分の短い船旅が始まります。
発着場
桟橋には、瀬戸内芸術祭2022ののぼりがたくさん立てられています。
伊吹島は芸術祭秋会期の会場となっています。
乗船
座席の枕カバー
座席には伊吹小中学校の児童生徒によるイラストが枕カバーに描かれていました。
伊吹島の名前
弘法大師が、海に漂っていた光を放つ不思議な木「異木(いぼく)」を引き上げて仏像を刻んだことから「異木島(いぼくじま)」といわれたとされています。
他に、島の沖合いの海底から泡が吹き出していて、大地が息を吹いているような「息吹(いきぶき)」が訛って「伊吹島」といわれるようになったともされています。
伊吹島
伊吹島の真浦港に到着
堤防では大漁旗を振って歓迎してくれました。
真浦港の桟橋
イリコの加工場
島の海岸沿いにはイリコの加工場が立ち並んでいます。
沖合で漁獲されたカタクチイワシを用いて煮干の魚を生産する加工場です。
一貫生産体制によるため鮮度がばつぐんで、上質な煮干し「伊吹いりこ」としてブランド化されています。
さぬきうどんのダシには “イリコだし”がかかせないものです。さぬきうどんは「伊吹いりこ」があってこそです。
伊吹島の言葉
日本で唯一、平安時代の京言葉のアクセントを残していることから、国語学者の金田一春彦先生も二度、伊吹島を訪れたそうです。
伊吹島民俗資料館
旧伊吹幼稚園を利用した島民手作りの資料館です。
農具や漁具、写真などが多数展示しており、伊吹島の歴史や文化を知ることができます。
展示
瀬戸の花嫁
帰りの船
来た時より少し小ぶりの船でした。
おわりに
島にあった民俗資料館では、海の恵みと共に生活してきた島の人々の、文化や暮らしを大切に写真や資料で残しています。
島民の島への愛着を感じることができました。
島を散策する中で、そこに暮らす人々の穏やかな日常を垣間見ることができ、穏やかな一時を楽しむことができました。