はじめに
香川県にあって瀬戸内海に張り出している五色台は、五色の名の付いた紅ノ峰・黄ノ峰・青峰・黒峰・白峰山からなる台形状の山塊です。
五色台は瀬戸内海国立公園に含まれ、崇徳天皇陵、81番札所白峯寺と82番札所根香寺といった歴史のある名跡があります。
瀬戸内海歴史民俗資料館は、風光明媚な備讃瀬戸を眺望できる五色台の北側に位置しており、瀬戸内地方の歴史や民俗に関する資料の収集、展示、調査・研究を行っています。
資料館展望台から見た瀬戸内海
建物
1973(昭和48)年に建設された資料館は、五色台の自然環境に調和した石積みの建物です。
1975(昭和50)年には「日本建築学会賞」
1988(昭和63)年には「第一回公共建築賞優秀賞」
1998(平成10)年には「公共建築百選」に選ばれる。
2013(平成25)年にはDOCOMOMO Japanより「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に選ばれる。
特色のある建築物として注目されています。
資料館の展示
資料館の調査研究・展示は瀬戸内地方全体を対象にしており、約22,000点余りの民俗資料が収蔵されています。
そのうち瀬戸内地方の漁撈用具、船大工用具、日本の背負運搬具コレクションの5,966点が国重要有形民俗文化財に指定されています。
古来より文化交流や海上交通の大動脈であった瀬戸内地方のくらしと文化について紹介している資料館です。
実際に使用されていた魚船
タコツボ漁
瀬戸内海の魚のはく製
香川の現代漁業解説
背負子のコレクション
背負子さん
祭の獅子やだんじり
藁で作られた雨乞い龍
白灯ろう
高松港で海の安全を守っていた白灯台の灯ろう部分を展示しています。
後ろにあるのは、瀬戸内海で活躍した木造船のようですが、現在はシートカバーがかけられています。
おわりに
瀬戸内海国立公園の中にあって、自然の景観にマッチした趣のある建物の資料館です。
昔からの人々の暮らしの道具や風習といった文化を調査・研究している地味な施設ではありますが、瀬戸内海沿岸に生きる人々の文化を理解する大切な役割があると思いました。
鰆(さわら)のはく製