「笠置シズ子」の特別展
NHK連続テレビ小説「ブギウギ」の主人公、笠置シズ子の出身地が引田町です。
引田町にある「東かがわ市歴史民俗資料館」で、特別展が開催されていたので見に行ってきました。
JR引田駅にも巨大看板
「東かがわ市歴史民俗資料館」とは
「東かがわ市歴史民俗資料館」は香川県の最も東の端にある引田町にあります。
引田町は古くから港町・醬油産業の町として発展しており、趣深い歴史と伝統が継承されている町です。
多彩な歴史的人物を沢山輩出している町でもあります。
「久米通賢」、江戸時代に塩田開発に功績があり、伊能忠敬より早く実測地図を作製しました。
「笠置シヅ子」、戦後「ブギの女王」として一世を風靡しました。
「南原茂」、東大総長を務め、サンフランシスコ講和条約をめぐって吉田茂と対立しました。
「野網和三郎」、日本で初めてブリの養殖に成功しました。
小さい町ながら、歴史のある引田町の「東かがわ市歴史民俗資料館」は、原始・古代から現代にいたるまでの歴史・民族資料を豊富に展示している、見ごたえのある資料館です。
実物大の古墳模型
7世紀初期に60~80mの山上に築造された直径10mほどの円墳です。横穴式石室の実物大模型が資料館の訪問者を迎えてくれます。
引田城
引田城は瀬戸内海交通の要地である引田港を囲むようにして突き出した、標高82mの城山に築かれています。古い商家が並ぶ引田のまち並みや瀬戸内海がみえ、見晴らしのいい場所です。
1815年の一国一城令によって廃城になりましたが、城跡には戦国時代終わりごろから江戸時代初めに築かれた石垣が残っています。
平成29年「続日本100名城」に選定され、令和2年には国史跡に指定されました。
天狗久人形
すぐ隣が人形浄瑠璃の盛んな阿波の国です。
引田は醤油醸造や港町として大いに栄えていたので、人形浄瑠璃も盛んに上演されていたことでしょう。
人形浄瑠璃を製作する名人であった阿波の天狗久について、詳しくはこちらをご覧ください。↓↓↓
久米通賢
江戸時代、高松藩に仕えて様々な功績や発明を残した人物です。
「讃岐のエジソン」といわれる、久米通賢の生家にあった鉄砲や時計の部品といった資料を展示しています。
和三盆
江戸時代より、讃岐の産物は塩・砂糖・綿の「讃岐三白」といわれていました。
このうちの砂糖は、引田・津田といった東讃を中心にして生産されていた和三盆のことです。
サトウキビを原料とする国産高級砂糖は和三盆として、現在も製造販売されています。
昔の和三盆を生産するための道具が資料として展示されていました。
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昔の農具
子供の頃に見たことがありますが、今は使われていない農具がたくさん展示されていました。
縄をなう機械です。
「むしろ」の織り機です。
「むしろ」というのは藁で編んだゴザのようなものです。
今では、「むしろ」を見ることも無くなりましたが、かつては農家の夜なべ仕事で作っていました。
昔の漁具
目の前が瀬戸内海なので、沿岸漁業が盛んに行われていました。
昭和初期の暮らしの道具
見たことがあるものもありましたが、手前にある昔の冷蔵庫は初めて見ました。
おわりに
古代から現代にいたるまでの、この地域の人々の暮らしや歴史を知ることのできる貴重な資料が豊富に展示されていました。
地域それぞれに、人々の暮らしが連綿と続いており、その暮らしの内実を学ぶことは大切なことです。
地方にある小さな資料館ですが、地域の歴史を語り継ぐ大切な役割を続けていって欲しいと思いました。
手作りの東京オリンピックに関連する資料展示もありました。
追記:東かがわ市は人形の町でもあります。引田に関係する、かわいいお人形も飾られていました。