はじめに
「藍の館」は藍を扱う大商人であった奥村家によって藍住町に寄付された屋敷を中心として、1989(平成元)年に開館したものです。
江戸時代から残る藍商人の屋敷や藍の栽培・加工に関する道具の展示など、藍の歴史を知ることができます。
「藍の館」入り口
藍の歴史
日本の藍は「JAPAN BLUE」として世界に知られている天然の染料です。
阿波では平安時代から藍の栽培がはじまったといわれています。
戦国時代から江戸時代にかけて藍の需要が高まり、特に元禄期に綿が普及すると阿波藍の生産が飛躍的に伸びていきました。
「藍の館」
奥村家住宅
奥村家住宅は、藍の商人であった奥村家が江戸末期から明治にかけて建てた藍屋敷です。
1808年に主屋が建てられ、1827年には2階を継ぎ足す増築がされました。
主屋から続く西の座敷は1887(明治2)年に建築されています。
書院造の立派な西の座敷は取引客をもてなす場として使用されていたそうです。
中庭を囲むように南面している主屋があり、藍染料の加工場である南・東・西の寝床が建っています。
かつて栄華を誇った奥村家の建物が、「藍の館」として保存されました。
案内図
資料館
「藍の館」は資料館から入っていきます。
資料館では、藍染作品、藍の流通に関する資料、藍商の経営に関する資料、奥村家調度品などを展示しています。
資料館1階
資料館2階
奥村家住宅への大門
資料館から奥村家住宅へは、大門を通って行きます。
主屋
2階建ての豪壮な母屋です。
西座敷
南・東の奥村家寝床
南と東の奥村家寝床では、藍の栽培や加工に使われていた農具や民具が展示されています。
「東の寝床」の展示
「南の寝床」の展示
おわりに
「藍の館」は、藍が阿波の発展を担ってきた特産物であることを示してくれる貴重な資料館です。
藍の生産過程や道具もたくさん展示されていました。
資料館の展示内容は、藍の生産に携わってきた人々の重労働による汗の結晶であったことを思い起こさせてくれます。
近年、天然由来の染料として再び注目されている藍の多様な歴史を知ることができました。
資料館2階にある藍商売の再現人形