松山市の走っていた「坊っちゃん列車」が、11月から運行が休止になってしまいます。
土日祝日の運行でしたが、蒸気機関車型の路面電車が城下町松山を走っている姿は、風情があり観光の目玉でもありました。
深刻な運転士不足が原因ということです。
松山市では当たり前のように目にしていたので、いつの日か、復活して欲しいものです。
はじめに
松山市には市内を走っている路面電車があります。
(株)伊予鉄グループが運行していて、市民の便利な足として大いに利用されています。
今は近代的な路面電車ですが、観光振興のために、明治時代に使用されていた蒸気機関車をモデルとして復元し、不定期ではありますが「坊っちゃん列車」と銘打った、かわいい列車が運行されています。
多くの人で賑わっている松山市中心街の一角にある、伊予鉄グループ本社ビルのスターバックスコーヒーの奥に「坊っちゃん列車ミュージアム」はあります。
坊っちゃん列車ミュージアムでは、この「坊っちゃん列車」と(株)伊予鉄グループの歴史を紹介しています。
坊ちゃん列車とは
伊予鉄道の開業(明治20年)以来、67年間にわたって運行されたドイツのクラウス社で作られた蒸気機関車がモデルです。
「坊っちゃん列車」という呼び方は、夏目漱石の小説「坊っちゃん」で登場人物が利用していたことから、小説名の「坊ちゃん」と「列車」が合わさり、そのまま人々に親しまれるようになったことによるものです。
複製された「坊っちゃん列車」は観光用に市内の路面電車として、1日4往復(8本)が 不定期に運行されています。
坊っちゃん列車ミュージアム
館内には、1号機関車(いわゆる「坊ちゃん列車」)の原寸大レプリカが展示されており、往時を偲ぶことができます。
また、鉄道ファン垂涎のレアな車輌部品や資料なども間近で見ることができ、伊予鉄の歴史を身近に学ぶことができます。
101号の社名板・製造所銘板
ミュージアム内ではスタバのコーヒーを飲みながら、勉強をしている人もいました。
伊予鉄初代社長の小林信近
1887年(明治20)年に創立された伊予鉄道は、民営鉄道としては日本で2番目の歴史がある会社です。創始者は小林信近で、狭軌の軽便鉄道として日本初の敷設認可を鉄道局へ申請し、実現させました。
他にも小林信近は、現在の松山商工会議所や伊予銀行、四国電力の創立をはじめとして愛媛における経済の基盤を作っています。さしずめ愛媛の渋沢栄一とも呼べる人物でしょうか。
政治家としても初代県議会議長や衆議院議員を務めるなどして活躍しています。
おわりに
スターバックスコーヒーの奥にミュージアムがありますが、敷居で隔てられているわけでもなく、ミュージアムの中でも若者がコーヒーを飲みながらくつろいでいました。
坊ちゃんミュージアムとスターバックスが一体となって、おしゃれな空間を作り出しており、とても良い雰囲気のすてきな場所だと思いました。
ジオラマ(松山城・県庁・路面電車)