紅葉の名所
根来寺へ12月3日、紅葉狩りに行きました。
赤や黄色の紅葉が境内を彩っていました。
根来寺とは
瀬戸内海に張り出した半島のような形状で、遠くから見ると台地状の地形のような五色台には、五色の名の付いた紅峰・黄峰・青峰・黒峰・白峰といった峰が連なっています。
根香寺(ねごろじ)は青峰の中腹(標高365m)に位置しており、森閑とした森の中にあって、神秘的な雰囲気に包まれた札所です。
牛鬼伝説
仁王門のある駐車場のすぐ脇に、見上げるほどの大きな牛鬼の像が木の間に立っています。何ともすさまじい形相をした異形の妖怪?怪獣?です。
像になっている牛鬼にまつわる伝説があります。
「昔々、青峰には人間を食べる恐ろしい牛鬼が棲んでいました。
そこで村人は、弓の名人である山田蔵人高清(やまだ くらんど たかきよ)に退治を頼みました。
しかし牛鬼がなかなか現れなかったので、高清は根香寺本尊の千手観音に願をかけました。
すると牛鬼が現れて見事に退治することができました。
高清は牛鬼の角を切り取って根来寺に奉納し菩提を弔いました。
その角は今でも寺に伝わっているそうです。」
境内
案内図
仁王門
仁王門をくぐると、すぐに下りの階段があり、降りた先には上りの階段があります。
下って上ってという珍しい境内です。
本堂
平安時代の作で、桜の一木造りによる本尊千手観音像は国の重要文化財です。
大師堂
五大堂
空海がこの地で感得された五智如来の化身である五大尊が祀られています。
白猴欅(はっこうけやき)
円珍が寺院を建設する際に、白い猿がこの木から下りてきて手伝ったということに由来しています。
樹齢が1600年ともいわれているケヤキの木でしたが枯れてしまったため、屋根を付けて保存しています。
はらくわり地蔵
山中にありましたが、本堂の回廊に移動されました。地蔵の周辺の木を切るとおなかが痛くなるといわれていたそうです。
縁起
寺伝によると、この地を訪れた空海が五色台を密教の修行にふさわしい台地であるとし、その一つである青峰に堂を建立して五大明王を祀ったとされています。
空海の後に円珍がこの地を訪れた時、神の化身である老人に告げられた霊木を切って千手観音像を刻み、安置しました。
残された霊木の切り株は、良い香りを放ち続けたことから「根香寺」と呼ばれるようになったといわれています。
後白河天皇の帰依が厚く繁栄しましたが、戦国時代には衰退してしまいます。
江戸時代になって高松藩の初代藩主松平頼重が再興しましたが、このとき真言宗から天台宗に改宗されました。
左「龍宮地蔵」、右「延命地蔵」
おわりに
牛鬼は異形な怪獣の姿ではありますが、ウルトラマンを見て育った世代には、何故か親近感が湧いてくるようにも思え、愛嬌のある姿に見えてきます。
恐ろしい怪獣である牛鬼も、退治された後は、魔よけのご利益があるとして長く供養されています。
牛鬼伝説があるぐらいの秘境感あふれる根来寺は、まさに信仰の場所としてふさわしい雰囲気でした。
水かけ地蔵