はじめに
30年前には、スマホを持つ時代が来るなどということはこれっぽちも思いつきませんでした。
技術の発展というか世の中の変容がこんなにも変化の激しいものであったということに、今更ながら驚いています。
香港で初めて携帯電話を見た
1989(平成元)年に妻と香港旅行に行きました。
この時に街中でお若い方がポケットに25cmぐらいの長方形で四角い角柱のアンテナが付いているものを持っていて、それを取り出して話をしているのを見かけました。
これは携帯電話だな、香港ではもう普及しているのか、と思ったものです。
当時、日本では自動車電話が使われるようになっていました。それと携帯電話もあったように思いますが、肩から弁当箱のようなものを吊り下げて使用するものでした。
そんな時に香港ではハンディタイプの手軽な携帯電話を使っていたのです。
電波の届きやすい人口密集の香港ならではのことであり、やがては日本でも普及するとは思いましたが広い国土をどこからでも通話できるようにするのは、まだまだ遠い将来のことだろうと考えていました。
ポケベル
25年ぐらい前には生徒がポケベルを持っていました。数字の羅列で自分のメッセージを伝えられるというものです。
授業が終わって10分間の休み時間に、何故か公衆電話の前に長い行列が出来ていました。何をしているのだろうと思っていたものですが、メッセージを数字でプッシュしていたようです。
例えば「14106」は「アイシテル」、「106410」は「テルシテ(TELして)」といった具合だそうです。
多分、今の40代の年齢の方は懐かしく思い出されるのではないでしょうか。
PHS
子供が小学生になりかぎっ子になってしまったので、心配なこともありDDIポケットのPHSを使うようになりました。すでに携帯電話も使われるようになっていたのですが、月額料金も安かったのでPHSにしました。
通話エリアがPHSの方が狭かったようで、その後は携帯電話が主流になっていきますが、安さにつられて使い続けていました。
家と職場の通話ぐらいしか使ってなかったので、通話エリアが狭くても問題はありませんでした。
携帯電話
職員室で初めて携帯電話を見たのは25年前です。年配の先生が携帯で電話をしている姿にちょっと驚きました。また、卒業生が学校に来て携帯の呼び出し音が鳴り、電話に出ていたことにも驚かされました。その頃は割と通話専門で使っていたのではないでしょうか。
まだ携帯電話を持っている方も少数派で、電話代も高かったと思います。
1999年にNTTドコモがiモードのサービスを開始すると、携帯電話でインターネットに接続できるようになりました。
当時の携帯電話会社であるDDIセルラー(現au)、Jフォン(現ソフトバンク)も追随しています。
携帯電話は折り畳み式が中心でした。今で言うガラケーです。始めの頃はいろんな種類のものがあったのですが、女性がお化粧道具のコンパクトのようで使いやすくかわいいということで普及していったため、たいがいは折り畳み式の携帯電話になりました。
iモードが出てくると、ポケベルをする生徒も少なくなり、休み時間に公衆電話に並ぶこともなくなってきました。一時の現象だったようです。
スマホ
2007(平成19)年にiPhoneが発売されてスマホの時代になっていきます。
何年かするともうほとんどの生徒がスマホを持つようになりました。何をしているのかというと、男子は専らゲームで女子はラインです。
友人同士のコミュニケーションツールとして大いに利用しているのですが、残念ながらそれが元でトラブルになることが少なくありません。
特に高校1年生は、まだ人間関係が十分に出来ていないこともありケータイでのやり取りを巡っていざこざしています。
新しいツールが登場すると様々な問題が発生するのは世の常ということです。
おわりに
普通にスマホを生徒一人一人が持ち歩いて使いこなしている時代です。こんなことになるとは夢にも思っていませんでした。
ここまでで30年です。それではこれから30年で、どう変わるのでしょうか。もう想像がつきませんね。
私は年も年ですので、そんなに長く技術の進歩に付き合うことはないのですが、今あるもので楽しみたいと思っています。