はじめに
西林寺(さいりんじ)は道路より低い位置にあるため、階段を数段降りて仁王門に向かいます。
お寺自体はフラットな平地にあるので、駐車場からは段差もなく、スムーズに境内へ入って行くことができます。
境内は隅々まできれいにされており、日頃の手入れが行き届いていることが感じられました。
境内
仁王門
正岡子規の句碑
「秋風や高井のていれぎ三津の鯛」
仁王門前の洗心塔(左)と白玉地蔵(右)
本堂(左)大師堂(右)
阿弥陀堂
2018年に新しい阿弥陀堂が建立されました。
茶堂
土参り大師
石面に大日如来・弘法大師・不動明王が彫られています。
弁財天池
小さい池には蓮が植えられています。
孝行竹
親竹と子竹が寄り添うように生えていることから、家庭円満のご利益があるといわれています。
福授(ふくさずけ)地蔵
納経所の前にある庭園に、1つだけ願いを叶えてくれる「福授(ふくさずけ)地蔵」があります。
縁起
寺伝によれば、現在地より少し離れた場所に、聖武天皇の勅願を受けて行基が伊予国国司と共に堂を建立し、本尊の十一面観世音菩薩を刻んで祀ったとされています。
9世紀初に空海(弘法大師)がこの地に立ち至った時、現在の場所に寺を移されたといわれています。
17世紀末に火災で焼失してしまいましたが、伊予松山藩主松平定直らによって一部再建され、その後中興の祖とされる覚栄法印が本堂と鐘楼が再興するなどして、再建されました。
水子地藏
西林寺奥の院「杖ノ淵」
弘法大師がこの地に滞在していた頃に、村は旱魃で苦しんでいました。
村人を救おうとして、弘法大師が杖を突くと水脈が見つかりました。
それが「杖ノ淵」の水で、以来、水は涸れる事もなく、この地域を潤しているとされています。
現在は杖ノ淵公園として市民の憩いの場となっています。
おわりに
西林寺は、一級河川の重信川が近くを流れているためか、お寺の池や杖ノ淵といった空海ゆかりの場所には水が豊富にあります。
福授地蔵の鎮座する池や弁財天池など、きれいな水がたたえられている様子だけでなく、よく手入れされた境内や庭を眺めていると、心が洗われるような一時を過ごすことができました。