はじめに
高知にある禅師峰寺(ぜんじぶじ)は32番札所です。
海岸沿いの小高い山(標高82m)峰山の頂上にあることから、地元では峰地(みねじ)と呼ばれ、親しまれています。
お寺からは、すぐそこに海岸を見下ろすことができ、境内から望む太平洋は壮大な眺めです。
眺めているだけで雄大な気持ちになることができます。
境内へ
麓の案内石柱
山の上にあるお寺への登り口に、案内の石柱が立っています。
この場所は海岸に近いので、南海大地震が起きた場合のいざという時に備えて、津波避難場所の案内板も設置されていました。
駐車場
上がって行った所に駐車場があります。
お大師さまをはじめとして、多くの仏さまが迎えてくださいました。
境内への階段
十一面観音像が建立されている隣の階段を上って行きます。
お地蔵さま
あちこちに、かわいいお地蔵さまがあります。
手水鉢の吐口もお地蔵さまでした。
仁王門
正応4(1291)年、定明作の銘がある仁王像は重要文化財に指定されていますが、現在は収蔵庫に移されていて見ることができません。
境内の全景
正面にあるのが本堂です。
本堂
本尊は十一面観世音菩薩さまです。
本堂内部
お正月でもあり、きれいなお花が供えられていました
大師堂
奇岩霊石
境内には多くのむき出しとなっている奇岩があります。
迫力ある奇岩の前に立つ不動明王
芭蕉句碑
苔むした岩に刻まれているようですが、よく分かりませんでした。
「 木枯らしに岩吹きとがる杉間かな 」
奇岩の中にたたずむタヌキの和尚さん?とお地蔵さま
縁起
聖武天皇の勅命を受けた行基が海上交通の安全を祈願するために建立したのが始まりとされています。
806年にこの地を訪れた空海は奇岩霊石が林立しているのを見て、霊験あらたかな土地であるとし、十一面観音像を刻んで本尊としました。
本尊は「船魂(ふなだま)の観音」と呼ばれており、地元漁師の信仰を集めています。
江戸時代には土佐藩主山内家の庇護を受けています。
初代の山内一豊から5代目までは、浦戸から大坂まで海路を利用した参勤交代だったので、出港する時には藩主が航海の無事を祈願しました。
6代目以降は愛媛県の川之江に抜ける山中の街道を通っています。
おわりに
山の上にある眺めの良いお寺でしたが、岩に覆われた厳しい自然に囲まれた環境でもあると思います。
そのせいかどうかは分かりませんが、ほっこりと気持ちをほぐしてくれる石のお地蔵さまや愛嬌のあるタヌキの置物が見受けられました。
見ているだけで気持ちが癒されました。