はじめに
室戸岬には有名な中岡慎太郎の像があります。
他にも様々な見どころが一杯でしたが、何といっても雄大な太平洋の眺めは圧巻です。
毎日、太平洋を眺めていると、海の向こうがどうなっているのか知りたくなるのも、もっともなことだと思います。
空海が自らの精神を研ぎ澄ますために、目の前の荒々しい大海原を見ながらこの世やあの世、宇宙について思索し修行しました。
修行をするには絶好の場所です。
また、坂本龍馬をはじめとする明治維新で活躍した人物の精神風土も、この景色の中で形作られたように思いました。
御厨人窟(みくろど)
海の波によって浸食された自然の洞窟(海食洞)が2つ出来ています。
若き弘法大師がこの洞窟で厳しい修行をしたと伝えられている場所です。
すぐ目の前は、激しい波が打ち付ける岩場の海岸になっています。
崖に向かって左側が御厨人窟で右側が神明窟です。
洞窟から見えるのは空と海だけで、ここから「空海」の法名を得たとされています。
神明窟で難行を積んでいた時に明星(虚空蔵菩薩の化身)が口に飛び込み、この時に悟りを開いたとされます。


中岡慎太郎像
幕末、武力討幕を目指して土佐藩の兵制改革を主張し、自らも陸援隊を組織して隊長となりました。
海援隊を組織した坂本龍馬とともに活躍しましたが、1867年、30歳の時、京都の近江屋で刺客に襲われ、坂本龍馬とともに暗殺されてしまいます。
1935(昭和10)年、安芸郡青年団が中心となり、この像が建てられました。
恋人の聖地
中岡慎太郎像の後ろのやぶの中に、展望台まで続く階段があります。
展望台からは、真下に慎太郎像、岬の先端の岩礁、その向こうに遥か彼方まで広がる太平洋の全貌を見渡すことが出来ます。
「恋人の聖地プロジェクト」(NPO法人地域活性化支援センター主催)が、プロポーズにふさわしいロマンティックなスポットとして認定している場所です。
岬の先端
中岡慎太郎像のある所から下りていくと岬の先端の海岸に行けます。
海岸には乱礁(らんしょう)遊歩道が整備されていて、岩礁と亜熱帯性樹林の間を散歩することが出来ます。
子授けの岩
よく分からなかったのですが、ご利益があるようです。
アコウの木
室戸市の天然記念物となっていて、露岩に巨大な根を張り付けています。
水掛地蔵
たくさんのお地蔵様が建立されていますが、海難事故で亡くなられた人々を弔うためもののです。
海の上で水を欲しがりながら海難死された方々を偲んで、水をかけて供養しているということです。
漁業を生業としている地域の厳しさを垣間見ることが出来ました。
室戸青年大師像
岬の先端から徳島方面へしばらく行くと、太平洋を見下ろすように立っている巨大な白い弘法大師像があります。 1984年に有志の寄進によって建立されたもので台座を含めて21mの高さがあります。
室戸ユネスコ世界ジオパーク
ジオパークというのはGeo(地球・大地)とpark(公園)を組み合わせた言葉で、「大地の公園」を意味しています。
ユネスコが認定したジオパークが世界にあり、日本には9か所あるそうです。
室戸もダイナミックな大地の活動による景観を見ることが出来ることから、2011(平成23)年に認定・登録されています。
おわりに
室戸岬には歴史上の人物ゆかりの事物だけでなく、貴重な自然の景観をも間近に見ることが出来る場所でした。
一度だけでなく何度も行ってみたいところです。
道端にはハイビスカスの真っ赤な花も咲き誇っていて、南国の風情を楽しむことが出来ました。