はじめに
車がやっと上ることができる細い道を上がった所に41番札所龍光寺があります。
歩き遍路の場合は、鳥居をくぐって境内への階段を上っていくので、ここはお寺ではなく神社かな?と思ってしまうほどです。
地元では「三間のお稲荷さん」と親しまれているようです。
静かな山里にある、神社とお寺が一体になっている41番札所でした。
境内
案内図
本堂
本尊の十一面観世音菩薩像が祀られています。1964(昭和39)年、信徒の浄財によって再建されたものです。
大師堂
七福神像
南予七福神の三番霊場ということで、恵比寿尊が祀られ、商売繁盛・豊漁・豊作の御利益があります。
縁起
寺伝によると、空海がこの地を訪れた時に白髪の老人に出会い、「われこの地に住み、法教を守護し、諸民を利益せん」と告げて、忽然と姿を消したそうです。
空海は老人が五穀大明神の化身であると悟り、稲荷明神像を彫って安置しました。
このとき本地仏として十一面観世音菩薩、脇侍に不動明王と毘沙門天を一緒に刻んで、「稲荷山龍光寺」と号して四国霊場の総鎮守の寺とされたといわれています。
創建のころから神仏習合の稲荷寺として、信仰されてきましたが、明治の神仏分離によって、稲荷神社と龍光寺に分離されます。
稲荷神社(旧本堂)
廣田神社(旧観音堂)
おわりに
龍光寺は三間平野を見下ろす小高い山の中腹にあるお寺です。
お寺の上に神社があるという珍しい配置ですが、地元では同じものとして「三間のお稲荷さん」と親しまれておおらかに信仰されていました。
お寺から見る農村の様子はとてものどかで、日本の原風景を見ているようでした。
このお寺に対する信仰も日本人の心情をよく現しているもののように感じました。